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ほんまやったらお母さんが
入院してから毎日、信ちゃんたちみたいに
顔見せてあげなあかんかったのに。
ほんまやったらお母さんが死んだ後、
お母さんの代わりに、
家事せえへんとあかんかったのに。
ほんまやったらお母さんの言うた通り、
一人で生きてくべきやのに。
女になる前に、私は良い子になるべきやった。
その順序がおかしなってしまったんや。
私は、脳が沸騰したように目眩に襲われた。
街の煌めきが攻撃的に私を刺す。
私は思わず電話を掛けた。
「……もしもし」
「もしもし、Aさん？
もしかしてもう着いちゃいました？」
「あの、そういうことと違くて」
「遅れちゃう方ですか？」
「……今日行けへんかもって…その」
「大丈夫ですよ、待ってますって」
「ほんまに…私…」
「ともかく！待ってますから！
どんなに遅れても、もし来うへんくても
僕、待ってますから！じゃ！」
通話は、無理やり切られた。
画面に表示された短い時間をじっと見つめる。
……この人とは、会いたくない。
今会ったら全部壊れてしまう。
出来損ないの、駄目な自分に対して
1ミリも自信が湧かない。
さっきまであった早い鼓動も、
今では違う鳴り方をする。
この人を不幸にしてはいけない。
ケータイを握りしめたまま
私は道の隅にしゃがみこんだ。
「いつまでも待ってる」？
そんな訳ない。
もう私に来る意思がないことくらい
向こうには、よう伝わったはず。
私は、また、逃げる事にした。
幸せを放棄して、心の安寧を図りたい。
その気持ちだけが、心の中で台風のように
渦を巻きながら巨大化していく。
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
