5.妹の癖【緑】 ページ35
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.妹の癖【緑】
Aちゃんが、ふにゃふにゃしてる…気がする。
しかも俺は知っている。
これがAちゃんの「恋の予感感じてる期」の
始まりやってことを。
感じてるだけで、期待させられてるだけで
何ともないことばっかりで、また傷ついて。
好きになる前に、全部が
だめになってまうなんて
ほんまに、不幸の星の下に
生まれたとしか思われへん。
……ごめんな。Aちゃん。
俺がモテを吸い取ってしまって。
同じ血やのにな、ほんま申し訳ない。
……
「あ、Aちゃん」
「…忠兄………」
夕飯の買い物帰り、
家から出てくるAちゃんと
それを玄関前で待つ男の人に出くわした。
「Aちゃん、花火行くん？
あ、やから髪行ったんやな」
「余計な事言わんと、さっさと入って」
「はじめまして、あの僕、
Aさんの同僚の丸山って言います！」
「あー！うちの妹をよろしくお願いしますー。
コイツ、ほんまに人間生活不適合者やから、」
成る程。この人なんや。
歴代とは随分違う感じ。
感じのいい人やな。
「丸山さん、こんな時に何なのですが」
「何かありました？」
「忘れ物をしたので少し待ってて下さい」
「はい！」
………いやいや、この二人を残すなや。
初対面やし、Aちゃんの彼氏候補やろ？
気まずいて。
「あの、」
「っはい！」
「妹は、ほんまに上手く会社でやれてますか？」
「え？あ、もちろんです！
この四月からこっちに来た訳ですけど
僕より仕事できるし、みんなに好かれてて……」
「…そこが、問題って言うか」
「……？」
「Aちゃんにとって、
いっつも他人第一やから。
どう思われるか、どう言われるか、
それだけなんです。
薄々感じてるかも分からへんけど。
それに、感情コントロールっていうか、その
いつも踏みつけ続けてるブレーキが…
壊れてまう時があって、いや…すみません。
あの、優しくしてあげてください」
「は、はい……」
ドン引かれたわ。
やって初対面の彼女候補の兄貴に
謎の説教かまされたんやもんな。
……重ッッッ！！！！！！！
そんなん彼女候補にしたないやろ…。
でもまあしゃーないわ。
どんなに取り繕っても、
それがAちゃんやし。
あの会社の人がもう、Aちゃんを
「逃げさせへん」ようにしてくれますように。
「逃げへん」ようにしてくれる人でありますように。
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
