2.アクロバティックでごめんなさい！【黒】 ページ17
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.アクロバティックでごめんなさい!【黒】
「村上さん、」
「は、はい！あ、横山主任！
いかがされましたか、書類出来てます」
「ありがとう。あの、これじゃなくて、」
「ええと、」
「車、停めてあったの村上さんだよね」
「………はい」
「白い、」
「白いやつです…」
うなだれた前髪が、おでこに広がった。
今朝、社員用の駐車場にいつものように自分の車を止めようとすると見慣れない軽が、なかなか見られへんような停まり方をしていた。
「あの、ちょっと曲が」
「曲がってましたよね、やっぱり曲がってますよね。
いや、分かってるんです、もう線からも出てるし、隣の車にも迷惑をかけるだろうことは分かってたんですけど、私、みなさんが来る30分くらいに席についていたいので泣く泣く、あのクルマのアクロバティックな駐車を
見てみぬふりで、見捨てて参りました」
突然武士っぽいけどこの子と話す時には、あまり普通とかそういうことは考えてはいけない。
「お兄さんが送ってくれるって言うてへんかった？」
「あの、その兄が練習しろと…」
「なるほどね」
「兄に今週末、ドライブに行ってこいと命令されておりまして。
もう家に居られへんので行くしか無くて…」
「Aさん免許持ってんねや」
錦戸が、判子待ちの書類を俺のデスクに置きつつ、会話に混ざってきた。
やっぱりシュッとしたやつやな。
そう思ってたのに、村上さんは他の女子社員とは、いつもの通り正反対。
少しむっとしたような顔すらした。
「下の名前で呼ばないでください
お知りにならないかもですが、村上です」
「知ってるて」
「知らへんのかと思うてしまいました」
「ね、運転慣れてへんねやろ？
やったら誰か一緒の方がよくない？
主任、主任もそう思いません？」
突然振られたので若干戸惑う。
まあ、そうかもな、と返すと、錦戸は例の笑顔で、っすよね！と同意した。
「Aちゃん俺隣に乗ったげようか？」
「ちゃん付けしないでください悪化してます」
「ええ、あかんのぉ」
「主任、私達は仕事に戻りましょう。
勤務時間ですので」
「俺、運転上手いで」
「知らないですよ。
私主任くらい神に祝福されしハイパー綺麗なお顔を持った儚いの擬人化じゃないと助手席に載せたくありませんので」
「じゃあ、主任誘ったらええやん」
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
