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なのに私は(今思えばジャニーさんの力もあったんやろうと思う)、どんどんチャンスを貰って、事務所から大切にしてもらうようになり、エイトのバックリーダーにまでなった。
私はよくしてくれる兄ちゃんたちの、力になれるんが嬉しくて、内くんが抜けるっていう悲しいことがあったけど、それで私がその一員になれることが決まって、もちろんそのつもり満々だった。
でも母は違った。
――デビューしたら、もう取り返しが付かんくなる。
あのジャニーズなんやで。
何言われるか分からへん、辛いのは自分や。
お母さんそんなこと分かっとって、良いよなんて言えへんわ。
それにあんたまだ中学生や。
今人生決めるん?
お母さん反対やわ。――
もっともだった。
全部正しかった。
母は離婚したあと、一人で私達を育ててくれていた。
やから私達にはちゃんと資格を取ったりして、安定した仕事に就いてほしいと常々言うていた。
そもそも内くんのことは関係無しに、私がこのメンバーになってなかったのは、母が事務所に、娘をそんな目立つ立場にしないでくれと頼んでいたからやったし。
「色々、ごめんなお兄ちゃん。」
「ええねん気にせんとって。
ええメンバーさんたちが、ちゃんとしてくれてて俺も安心やわ」
「…うん。ほんまに…」
「横山くんが家来たん思い出すわ」
「あった。懐かしいわ。」
それは私がメンバー昇格を断りたくなくて、毎日泣いてたころの話やった。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月11日 16時
