【2】宮野さん(女)はえいとです【暴露編】 (ページ25)

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でもAちゃんはな……皆にこうしてるからなあ。

人たらしというか何というか。

おーくらさん、とAちゃんは俺を呼ぶ。

さん付けなんて他人行儀やけどAちゃんの呼び方は
旦那さんに言ってるみたいやし(意識過剰)。

今のままでも充分供給されてるものを過剰に求めなければ幸せやのに、人間て奴はそうもいかんらしく、俺は今日もぐるぐる考える。

…少し考え事をしてる隙に、Aちゃんの興味はまたきちんとピアスに戻っていて、近くにいたメイクさんにもどっちがええ、なんて聴いたりしていた。

それなのにメイクさんが、こっちといった答えに対して

「ありがと！
でも今回おーくらさんに選んでもらう、おーくらセレクト回やから優勝はおーくらさんに聞くわ！」

と返している。

少し滅茶苦茶やけど、ちゃんとその話を覚えていたことが喜ばしい。

「Aちゃん、これにするわ俺」

「おーくらさんはこれ選ぶと思うてた！」

店員さんに渡してそれが、小さな紙袋に入れられ、小さなショッパーに入れられ、とするのを、Aちゃんは星の入ったような、いつもの眼で眺めていた。

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