僕の叶わないはずの恋 ページ10
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章ちゃんは優しい。
僕を甘やかし、労り、特別扱いしてくれた。
こんな何の取り柄もない僕を必死に庇ってくれた。
「Aはほんま頑張り屋やからな」
「よう周り見てくれてるな」
「僕は味方やから、大丈夫」
いつも他人の顔色ばかり窺ってへらへらする僕を、こんな風に慰めて、認めてくれた。
僕の作られた「呑気」とか「無気力」を見抜くのが巧くて僕は、僕を理解してくれるの人は章ちゃんしかいないって思うようになった。
確かにそうやった。
僕の心の昏い所に気付いてくれた。
欲しい言葉を欲しい時にくれた。
こんな僕に、優しくしてくれた。
でも、違うねん。
僕はこう言うことには勘が働く。
「優しいひとは、みんなに優しい」って。
僕は早い段階でそれに気が付いた。
章ちゃんはそういう人や。
博愛の星を背負うひと。
神さまに、人間を愛しなさいって言われて生まれてきたひと。
僕が特別な訳と違う。
章ちゃんはみんな愛してる。
みんなも章ちゃんを愛してる。
勝手に僕だけ変な「好き」を抱え込んでしまっただけで。
僕の口は堅かった。
やから、決して言わないと決めた。
自分よがりの恋をぶつけて、章ちゃんを困らせたなかったから。
僕は、自分が大嫌いになった。
大好きな章ちゃんを恋愛として好きになってしまうことは、嫌いな自分を大嫌いになることと同じやった。
「好き」の一言が僕自身を、僕の立場を、僕の居場所を、すべて焼き尽くすことは嫌でも分かった。
そしてその業火は周りも巻き込んでしまう。
章ちゃんを、困らせたない。
やから僕は、ただへらへら暮らすことを選んだ。
たまにメンバーとして甘えて、カメラの前でくっついて…それでええやんか。
多分、あの時僕は僕を殺した。
……ハグを周りも怪しまないことといい、章ちゃんの反応といい、こっちの僕と章ちゃんはそういう関係やない。
慌ててその胸から離れた瞬間、僕はそれを悟り、安心すると同時に、底意地悪く悦んだ。
そうや、僕はもう条件を満たしてんねやな。
僕にも"権利"があって"挑戦"も出来る。
僕が叶えられへんかった夢を、ここでやったら叶えられる。
可能性があるんやったら試してみたかった。
死なせてもうた僕の欲望を、この身体を使うてここで達成するために。
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みき(プロフ) - お返事ありがとうございます！2もこれから読ませて頂きます！楽しみです！ (2020年8月19日 8時) (
レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - みきさん» 更新しました。応援を頂いて更に頑張ります！続編もよろしくお願いします！ (2020年8月17日 23時) (レス) id: 8ee4399846 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！私の予想してなかった展開で、この先が楽しみです！ゆうみさんの挑戦、応援してます！ (2020年8月16日 17時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - みきさん» 更新しました…！これから自分としては少し挑戦なので、コメントも楽しみにしています！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 8ee4399846 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 世利菜さん» コメントありがとうございます！ 読んで頂けて嬉しいです。これからも色々進んでいきますのでまた感想頂けたら嬉しいです！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 8ee4399846 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2020年5月29日 14時
