��友達だって言ったじゃないか ページ21
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ASide
「あ、もしもしミナ？」
「Aちゃん？」
「ごめん急に。今大丈夫？」
「大丈夫やで！Aちゃんの方こそ今忙しいやん。
電話なんて何かあったん？」
「何かあったって言うかほら、直接言うて置きたくて」
「うん」
「何度目やって話やろうけど、私、あと一ヶ月で引退することになって、お嫁にも行くことになった」
「テレビと彼氏から逐一聞いとったわ。おめでとう」
「引退はともかく、宮野やなくなるのは予想外やってんけどな」
「周りの人たちも、相手がたっちょんなら許す言うてたで。
ほら皆Aちゃんのこと、小さい頃から見てるやん？
親戚のおっちゃんみたいなスタンスやから」
「ごめんな、事前に言えへんくて」
「そんなん仕方ないやん！
それにどうせAちゃんのことやから、ウチに言おうとしてんけど、気い使って言えへんかったとかなんやろ？」
「……御名答」
「発表前に言うてくれてても、今言うてくれても、どっちやって構わへんわ。
友達なんやから、言いたい時に言うてくれたら、ウチはどっちでも嬉しい」
大人になってから、「友達」と誰かと呼び合うことはほぼ無くなっていた。
だからこそミナの「友達なんやから」は素直に心に染みて嬉しかった。
「友達やって、思うてくれてたん？」
「ウチは博愛主義やねん。仲良い人は全員友達や。
いとこやろうと年上やろうと、ゲーノージンやろうとな」
「もう、ゲーノージンやなくなるんやけどね」
「関係ないわ」
「そっか」
「せやで」
「……あのさ、ミナ。」
「ん？」
「彼氏、卒コン取れた？」
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月22日 8時
