�Ｈ�しいこの世界に ページ3
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それに診断された時、私初めて気付いたんです。
人生には限りがあるって。
病気になって、私は普通の人生の幸せが、欲しくなってしまいました。
結婚や子供を持つことどころか、恋愛もしたことないまま、ここまで来てしまったのに、タイムリミットが見えた今、それを捨てることが、弱い私にとって、出来んくて。
あとは、デビューした時から、一番良いときに辞めたいって、ずっと思うてて。
私はいっぱいのチャンスと愛をもらって、身分不相応な程、歓声とライトを浴びさせてもらいました。
病気が分かったことは、この、合図なんかなって。
やからこそアイドルとしての宮野Aを美しいまま終わりにしたいんです。
女やのに応援してくれた、すべての皆さんほんまにありがとう。
我儘やのは、分かってます。
でも誰も落胆させたくない、その思いだけで突っ走って来た私が、アイドルとしての千秋楽を迎えることを、どうか、許してもらえないでしょうか…！」
会場は泣き声で満ちていた。
メンバーの方なんて、とても見られなかった。
泣いているのが、背中越しでもわかったから。
「……僕らも最後の最後まで、みやと一緒に、行くつもりです…
…最後まで、宮野を、よろしくお願いします…！！」
横ちょが途絶え途絶え言い終わると、それを合図に、なんかもうぐじゃぐしゃになった皆が、一斉に駆けて来て突進するように私を抱きしめた。
私も今まで堪えていた涙がばーっと出た。
自分も泣いてるくせに『やっぱりみやは泣き虫や』とすばるくんが言うた。
今頃、この会場に居ないエイターさんにも、メールが届いている頃だろう。
メディアにも直ぐに伝わる。
私の終わりが始まろうとしていた。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月22日 8時
