【4】宮野さん(女)はえいとです【選択編】 (ページ8)

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⑧眠れる獅子を起こせ【緑】ページ8

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プロデューサーさんから、ある事を聞かされたのは、クランクインした後のことやった。

「大倉君。
そういえばどうして二人キャスティングしたか知ってる？」

「えっとあれですよね。宮野と前やったドラマの、」

「いやあ、それもあるんだけどね。違うんだよ」

「ええ、何でなんですか？」

「ジャニーズの子使うとね、相手役に苦労するんだよ。
人によっては苦情きたり、その後撮られたりするから。
それが宮野ちゃんなら無いんだよ。
あの子自体ジャニーズだし、ファンも見たがるし、絶対に撮れないことで有名だからね。」

それは撮れへんのとちゃうくて、撮られへんのや。

そんな国家機密を飲み込んで、笑顔を作る。

「でもねやっぱり、うちの局は特に関ジャニ出すってなったら宮野ちゃんも付ける？ってなるし、宮野ちゃん出すってなったら関ジャニ付けるかーってなるの。」

どうもハッピーセット集団です。

「何かね、宮野ちゃん演技上手いのもあるんだけど、他のメンバーがスタジオに居るだけでも、安心するのかいい表情するし、それ、スポンサーも気に入っててね。
まああと、これは裏事情だけど、メンバー相手なら大体のセリフも演出も事務所NG出ないんだよねー。」

これは意外やったかもしれない。

後半が主な理由やったとしても、それは嬉しい。

「まあ、今回大倉君に、お願いしようってなったのは
宮野ちゃんの、また違う演技が見たかったからでもあって。
作者の先生は素に近いんじゃないか、なんて言ってたけど、今まで見たことない感じだから。」

あの人は筋金入りのオタクや。

間違ってないけど、ちょっと違うっていうキャラを提示してきたあたり、ほんまのオタク。

やっぱプロやわ。

俺は

『君が隣に居るだけで、宮野は成長していく。
だから成長させるのは、君の仕事』

と言われたような気がした。

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