��始末屋セーラ ページ8
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始末屋さんAちゃんVerエピ(過去)
セーラ −宮野A
サブマシンガンを使い、容赦なく相手を倒す実力派。
普段は添い寝屋として、女性たちに安らぎを提供している。
『少公女セーラ』の影響で両親は大金持ちだと信じ切っている。
8UPPERSとして仲間が集まる中、小学卒業と共にマックに養女として引き取られた。
「……ねえ、セーラ……」
私の隣はいつも不安げな人ばっかりだ。
そういう仕事。
仕事場はホテル、寝る仕事、なーんて。
誤解をされても仕方ないんやけど。
「…ん、寝られへん？」
2時間以上も悲しかったことを吐き出して
ようやく寝たかと思っとったのに、
お客は、まだ薄く涙を浮かべた眼を開いていた。
私は近々の距離に居るのにさらに抱き締めて
何とか、お客に自分の体温を移そうとした。
………添い寝。
ただ話を聞いてあげて、朝まで一緒にいてあげる。
この都会にはこんな極限まで追い込まれたしんどい女の子が幾らでも居る。
皆、可哀想だ。
私みたいな胡散臭い女に頼らなくちゃいけないほど辛いなんて。
「大丈夫やからね、大丈夫やから。なあんも心配せんと眠り」
余った手で髪を撫でると段々に、寝息が聞こえてくる。
ああ、良かった。
この人の夜がやっと始まった。
確かに私は、これでそこそこに稼いでいる。
……でも、仕事とはちょっと違うんよなあ。
これは仕事やけど、趣味みたいなもん。
もう一つの仕事はもっとはちゃめちゃに騒がしくて、
もっと分かりやすい死がある。
…でも、こっちは目に見えない、心の死みたいんがあって
それを助けてあげることで私は…なんやろ、バランスを保ってるんやと思う。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月20日 17時
