強火きょもほく担に負けるものか

ルール ページ18

京本 『〜ってことで、書けた？』

A「は、い、…あの、先輩…」

　京本 『復唱してみようか？』

A「します、はい」


ルールその１

A「ジャニーズJr.の高地優吾の幼馴染、というのを、SNSや人目につく所で口に出したり、知られないようにする」

ルールその２

A「こーちの連絡先の登録名を変えたり、家族にも協力してもらい、連絡先が外部の人に流出しないようにする」

ルールその３

A「２つのルールを守れない、防げない、と感じることがあったら、このSOS連絡先に真っ先に連絡すること」

　京本 『そう。SOS連絡先って入れてるのが、俺の連絡先ね。俺の方には、わんこって名前で登録してるのは、カモフラージュってこと。理解できた？』


A「あの〜…今からでも私の連絡先を消してもらって…その、一切関わらないので、記憶から消してもらうことは出来ません…よ、ね？」

　京本 『へーーぇ、何かあったとしても、知らぬ存ぜぬが通じると思うんだ？事務所の先輩方のファンが俺ら学生よりも断然大人が多いのに…そーんな、呑気なこと言えるんだ』

A「だから〜、それが恐ろしくて、嫌なんですよ！！！！！！」

　京本 『…そりゃそっか、恐ろしいよなやっぱ』

A「へ？！」

　京本 『自分がよく知らない人達に調べられて、憶測でイメージつけられて、比べられて、勝手に期待されて…』

A「先輩？！」

　京本 『…とにかく、極力知られなければ、そっちに害が及ぶこともないだろうし、こっちから連絡することもほぼないからさ、よろしくね』

A「いや、それは…」

　京本 『じゃあ、そういうことで。しばらく忙しくなるし、SOS連絡先に連絡することがないことを祈っておくんだね…じゃ』



プツッ…



電話を終えて呆気に取られる…。

恐ろしくて嫌だと伝えたのは、ある意味反射に近いというか、素直な感想だ。

それに対して、恐ろしいよなやっぱ、と言った。
あの京本先輩が。


まだ何も知らないけれど、でも、憶測でイメージつけられて、比べられてって何と？？

幼馴染のイメージって何？？
少女漫画の、友達以上恋人未満のキュンキュン設定、みたいなヤツ？？
それは、まぁ違うから否定はするだろうけど。
でも、害が及ぶって言うのは…？？
こっちから連絡することもほぼないって……


A「じゃあ、連絡先交換した意味って…あったのかな…？？」

私には理解するには難しい世界の話を垣間見たのであった。

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