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*1ー2 ページ8

入学式を終え、教室に案内された

新入生代表だったからか私をチラチラ見る生徒が沢山いる

余談だが私は体の機能や感覚を全て前世のものを引き継いでいる
そのため、日常生活でも人一倍視線を感じてしまうから厄介なものだ

幸い席が窓際だったので外を見て気を紛らわせる事にした
澄み渡る青空は相変わらず色がない

暫くそうしていると教室内では自己紹介の流れになっていた
私の番になったのでにこやかに名前と趣味を話し席に着く

目立ちすぎずかといって親しみがいのある話し方

そんな技術を前世から持っているので孤立することはないはずだ

紹介が終わるとまた外に目を向けた
変わらない青空に気分が凪いでしまう

淡々と終わっていく中、突然教室内がざわついた

目を向けるとあの入学式の金髪君だった

「降谷零だ…よろしく」

彼はかなりの仏頂面でいい席に着いた

顔はとても整っていいるが態度が態度だけに同性には煙たがられるタイプだろう
まあ、関わることもないだろうが

と目をそらす瞬間に
在ろう事か目があってしまった

私よりも透き通った青が私を映す

透き通ったその青はあの子の青に似ていてひどく居心地が悪い
スッと視線を外に向けた

ヒシヒシと視線は私へと注がれているのが分かる

そんな中見上げた青空は相変わらず凪いでいた




入学式から数週間が立ち、授業や部活動などの生活リズムに慣れてきた

私は孤立することもなく、かと言って特定のメンバーといるわけでもない
そんな曖昧な関係を確立させ、教室でも学校外でも私としては満足な関係性だった

それで気の緩みがあったのだ

最初に言っておくが私の知識が不足する事はまずない

理数系も語学も勉強しなくてもある程度の知識を既に身につけている
中学校程度では授業など暇でしかないのだ
テストで満点を取るなんてあそこでフルスコアを取るよりも数十倍簡単だ

言い訳になるかもしれないが
だから授業を抜け出した

夏にしては涼しい日だった
ふと外に出たくなって、どうしても退屈になって

午後の授業を丸々全部抜けた

愛読書の文庫本と熱中症対策に水筒とタオルを持って屋上に上がる

それからウダウダと時間を潰した
寝そべったり、本を読んだり、日向ぼっこしたり

その過程できつく結んだ髪を解いた
風が髪を弄び後ろへ攫っていく

今思えば完全に油断していたのだ

「おい、先生が探してるぞ」

だから
背後に立った降谷と諸伏に気づかなかった

*1ー3→←*1ー1



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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います! (2020年6月3日 0時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます!頑張って更新します!! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します!この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます! (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か?最高! (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年5月19日 20時

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