【ワンピース】親父ぃ！空から女の子が！！ 2

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暗闇の中で誰かが嘆いた
自分ではない、と
私はやっていない、と
なぜ愛してくれないの、と

『彼を…殺したのか…？貴様が！殺したのか！？』
「…どう、して！やっぱりあなたは悪魔よ！」
『忌子め！とっとと失せろ！』
「あなたなんて産まなきゃよかった」
『どうしてできない？俺の子でありながら！』
「人殺し！やっぱりあなただったのね」
『鬼の子だ…お前は俺たちとは違う！』
「貴様の事なんて誰も望まなかった…誰1人として…！」

男女の声が反響した
全員違う声なのに全部聞いたことがあった
どこで聞いたのかわからない声の言葉はナイフとなって私を突き刺していく

『…A』

ボロボロになった頃、聞いたことのある懐かしい声が聞こえた
みっちゃんだ
心臓が発作を起こしたように早鐘を打ち息が乱れる

『私を殺したのね』

放たれた言葉に声を出そうとするも
何かが詰まって声が出ない

『人殺し
壊したものは戻らないの
二度と…』







「〜っ！」

声にならない叫びを出しながら手を伸ばした

自分の手が白く見え見慣れた天井が見えた

…頭が痛い
目眩がする
体を起こせば冷や汗が頰を伝い、手が微かに震えた
吐き気がこみ上げ、慌ててトイレへと駆け込む
何回か胃の中を戻し、過呼吸気味に酸素を取り入れる
それでも足りないのか何度も吐く

「おい、大丈夫か…ってA！？」

誰かの声がしたが構っている余裕はない
ただひたすらに吐き出した
吐くものがなくなっても胃液のみが吐き出されていく
喉が痛く咳をした

いつのまにか背中が優しくさすられていた
ふわりと香る匂い冷たくも暖かい匂いにホッと息を吐く
これは誰の匂いだったか…

「大丈夫か？A」
ー「大丈夫か？A」

重なった声に安心したのか意識を落とした






そうか
あの声は









たった1人の兄だった

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