かくして世界は切り替わりました

［38通目］ ページ3

翌日から復帰させたバーボンに書類の整理をやらせる
やはり1日2日では、意識は変わらないらしい
本人は必死に取り繕っているが、顔色は戻らなかった

「君には友人はいないのか？」
「はい？急にどうしました？」

書類に目を通しながら言えば、バーボンが訝しげに言った

「で？いないのか
裏社会はノーカンだからスコッチ以外だ」
「いきなりなんです…。
まあ、居ますけど…？」
「じゃあ、今日はその友人たちと過ごすことだ
もう帰れ」
「は？」
「その顔色の悪さを直してこい
直すまで帰ってくんな。以上」

部屋からバーボンを追い出し、鍵を閉めた
迷うような気配がしたが数秒後には気配がなくなっていた

私はあるところに電話をかけた

prrrr prrrr

『……カラスか…』
「ええ、例の件ですがバーボンがノックである可能性は低いかと」
『そうか…本当だな』
「今のところは」
『…わかった、そういうことにしておこう』

ブツリと電話が切れる
これで疑いの目は少しは避けられるだろう
全く世話の焼ける部下である

「ったく、仕事が滞る」

兄さんや森さんに怒られそうだ

そんなことを思いながら書類の山に手をつけた
あ、これ今日までの書類じゃん

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