episode．22 ページ23
焦凍side
『見て、どう思った。』
見てどう思ったか、とても可哀想だと思った。
なんで家族から虐待を受けていたのか。
『ただの化け物だろ。私は。関わらないでくれ。』
パシッ
Aは俺の横を通って、部屋からでようとしたが、俺がAの腕を掴んだ。
焦凍「お前は化け物なんかじゃない。」
『なら、悪魔か？』
焦凍「違う！」
俺は声を荒らげて言った。
焦凍「この診断書を読んで、スマホで調べた感情喪失症の大体の原因はストレスによるもの。」
『だろうな。』
焦凍「お前が“フラッシュバック”の個性にかかっていたあいだに言っていた言葉。
両親から虐待を受けていたんだろ。」
『....いい加減に手を離してくれる。』
Aは少し低い声で言った。
焦凍「お前が真実を言うまで離さねぇ。」
『....分かった。話す。から離して。』
俺はAの手を離して、そのままついて行った。
居間に通されて、Aは俺の前にお茶を置いた。
『何を話せばいいんだ。』
焦凍「全部。」
『私と八百万百は双子として八百万家に産まれた。
個性発現するまではとてもいい双子だと思う。
でも、個性が発現した。
八百万百には家系にあった個性。
でも、私には家系には無い、突然変異の個性だった。
そこからは両親から虐待を受けた。
笑えば、頬を殴られ。
泣けば、個性止めの腕輪を付けられて水桶に顔を押し付けられた。
怒れば、お腹を殴られ。
喜べば、腕の骨を折られた。
でもある時、紐が切れたような音がして、何も感じなくなった。辛くなくなった。
そんな私を見て“悪魔”って言った。
個性が発現した時は“化け物”だったけどな。』
虐待って言えるレベルじゃねぇ。
俺が親父から受けた暴力より酷いものだ。
焦凍「それで、その後どうなったんだ。」
『感情も痛覚も無くなった私を岩手の叔父叔母の家に預けられた。
その後から痛覚は戻ったけど、感情は戻らなかった。
その診断書は、叔母が私の様子がおかしいから連れていってくれた病院のものだ。』
焦凍「大変だったな。」
俺はAに抱きつき、泣いた。
『なんで、轟が泣く。泣かなくていいだろ。』
焦凍「お前には感情がない。
泣きたくても泣けないんだろ。
だから、俺が泣く。」
『でも、お前は泣かなくていいだろ。』
Aは俺の涙を拭いた。
焦凍「俺はお前の感情を取り戻したい。」
『なんで』
焦凍「一目惚れした相手が困っているなら助けるもんだ！」
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猫築かなめ - 好きです！面白いですね、更新頑張ってください (2020年8月21日 23時) (
レス) id: 8f5697df22 (このIDを非表示/違反報告)
麻里 - お疲れ様です。続き、たのしみです。更新、頑張って下さい (2019年9月20日 21時) (レス) id: c144890f71 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美貴(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2019年9月16日 20時) (レス) id: 2e01491128 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2019年9月16日 17時
