陸拾陸 ページ6
「二人とももうやめようよ！今戦うべき相手は違うでしょ！？」
私は隠れていたところから飛び出し、壁にもたれるボロボロの宗次郎を横から抱き締めた。
「A…」
剣心さんが私を見つめている。
私も剣心さんを見つめ返した。
「邪魔してごめん…だけど、今は皆で力を合わせて志々雄倒そうよ！」
宗次郎の肩が上下に動いている。
手を見ると、刀で打たれたところがもう痣になっていて紫色になっている。
白い肌も、土埃で茶色くなっていて…
こんなの放っておけない…
見てるだけなんて辛すぎる。
自己満足って思われても仕方ない。
我慢できないんだから。
「どけ…！まだ終わってないんだ…！！」
私を腕で払いのけて、よろよろと立ち上がった。
「無理しちゃだめだよ！ねぇ宗次郎もういいじゃん！もう宗次郎が傷付くのなんて見たくないよ！」
「黙れ…黙れ！！！！僕は無理なんかしてない…！！お前はあっち行ってろ！！」
いつもとは違う口調に、もうこれ以上何も言えなくなった。
「あああああああ！！！」
宗次郎が刀を振りかぶった。
剣心さんに何度か攻撃してるけど、それも全部止められて、逆に攻撃されている。
「強ければ生き…弱けれ死ぬ……！
！」
「それだけだ…っ！！！！」
宗次郎の刀と剣心さんの刀が強くぶつかる。
その時だった。
ガキッと変な音がして、放物線を描いて私の頭上を飛んでいく物。
床に落ちて初めて分かった。
刀が折れたんだ…
それも、宗次郎の…
急いで宗次郎に目をやると、やっぱり壁にもたれかかって剣心さんを見上げている。
髪の毛で隠れていて目は見えないけど、口を見る限りは泣きそうだ。
「勝負がついたようだな。」
「僕が…僕が間違ってたのか……？」
少しだけだけど、しゃくり上げ始めている。
「いや、勝負に勝った方が…つまり、強い者が正しいというのが志々雄の理屈。一度や二度の戦いで真実の答えが出るのなら…誰も生き方を間違ったりはせん。」
私も剣心さんの言葉に聞き入ってしまう。
宗次郎の方からは、息切れと泣きそうな声が聞こえる。
「真実の答えは…お主自身がこれからの人生の中で見出すでござるよ。」
そう言うと、剣心さんは走ってどこかへ行ってしまった。
「うっ……く…っ……うわあああああああああ！！！！！！」
せきを切ったかのように泣きじゃくる宗次郎の元へ行き、正面から抱き締めた。
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キーさん(プロフ) - もう7年も前の作品だけど、いつか更新されることを願ってます！ (2021年8月19日 16時) (
レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
╋雨降りジョーカー╋(プロフ) - 控えめに言って 神作品。作者さん凄すぎるわ...この作品は非の打ち所のないんだけど... (2018年10月17日 23時) (レス) id: 380c7fa183 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - とっっっても面白かったです！ 楽しい時間をありがとうございました！ (2016年12月20日 19時) (レス) id: 88676b10f6 (このIDを非表示/違反報告)
北山LOVE - チョー面白かった！宗次郎大好き！ (2016年12月10日 4時) (レス) id: 2b9049c483 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったです。宗次郎が剣心の味方なのもいいですね！ありがとうございました。。 (2016年7月3日 1時) (レス) id: c21e049532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青りんご | 作成日時：2014年12月21日 10時
