捌拾伍 ページ25
Aside
「何するつもりって…決まってるじゃ」
「優月さんが僕と稽古してくれるって！」
私の言葉を遮って興奮気味に男の子が言った。
「あ、俺の名前は玲です。よろしくお願いします！」
「うん。よろしく。」
私は笑って少し頭を下げた。
「やめときなさいよ。優月は…侮ると痛い目にあうわよ。」
今度は恵だ。
「なんだよもう…。やりたいつってんだからやらせろよー。」
「侮ってるわけじゃありません。俺は優月さんの強さをこの身を持って感じたいんです。」
恵が少し笑う。
「手当の準備でもして待ってるわ。」
そう言ってどこかへ行ってしまった。
「優月さん、おねがいします！俺を志々雄だと思って！」
「おう！行くよ！」
「はい！」
本当は少し相手を牽制したりするんだけど、私流は一気に攻め落とす。
つまり、よっぽど強い敵じゃなくちゃ牽制なんていらない。
志々雄相手の時はさすがにちょっと様子を見たりしたけど。懐かしいなぁ…
私は一気に木刀を振り上げる。
玲は、それを木刀で止めようとしたのだろう。木刀を下にずらし横にして自分は少し横に移動した。
そのまま木刀を振り上げる玲。
でもそれは想定内。
振り下ろした私の木刀は、玲の木刀に当たる。
そして柄を持つ手を緩め、剣先が私に向くように持ち直す。
腹側を向こう側に向け、刀身を左手で支え、それを上に押し上げて玲の木刀を下に押し付ける。
そのまま木刀を平行移動させて玲の腹を打ち付ける。
それからよろける玲の後ろに回り、何回か背中を打つ。
「う…あぁ……っ……」
痛そうに顔を歪める玲。
この辺でとどめにしよう。
私は左腕で玲の首に手を回し、そのまま後ろに引きずり倒した。
バタンと大きな音を立てて崩れる玲の顔の前に剣先を突きつける。
周りは静かだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 233人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キーさん(プロフ) - もう7年も前の作品だけど、いつか更新されることを願ってます！ (2021年8月19日 16時) (
レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
╋雨降りジョーカー╋(プロフ) - 控えめに言って 神作品。作者さん凄すぎるわ...この作品は非の打ち所のないんだけど... (2018年10月17日 23時) (レス) id: 380c7fa183 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - とっっっても面白かったです！ 楽しい時間をありがとうございました！ (2016年12月20日 19時) (レス) id: 88676b10f6 (このIDを非表示/違反報告)
北山LOVE - チョー面白かった！宗次郎大好き！ (2016年12月10日 4時) (レス) id: 2b9049c483 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったです。宗次郎が剣心の味方なのもいいですね！ありがとうございました。。 (2016年7月3日 1時) (レス) id: c21e049532 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青りんご | 作成日時：2014年12月21日 10時
