捌拾肆 ページ24
宗次郎side
あの戦いの日からどれほど経っただろうか。
志々雄さんに出会ったばかりの僕からしてみれば、想像もしてなかった平和な日々。
隣には僕の愛する人もいる。
神谷道場に居候してからというもの、本当に賑やで楽しい毎日だ。
「今日も皆頑張ってるねえ。」
道場で稽古中の子供達を見て、袴姿のAが隣でつぶやく。
その腰には、先日なぜか伊藤博文さんから頂いてきた柄の白い刀。
志々雄さんに勝った報酬だとかなんとか言ってたなあ。
僕としては、志々雄さんを殺した報酬だからちょっと複雑だけど。
刀を折っちゃったのは僕だし、何を言う資格はない。
廃刀令が出てるのに、政府も適当だなあ…なんて考えながら、Aの声に応える。
「Aに憧れて入ってきた人もいるんだってさ。」
「え、本当に！？薫が言ってたの？嬉しいなぁ…」
Aはニヤニヤしながら刀の柄を触る。
「いや、神谷さんじゃなくて子供達が言ってたから。」
「へぇー、今度聞いてみよっと。」
「あ、休憩に入ったみたい！」
Aが楽しそうに言った。
子供達は次々と汗を拭きながら外に出てくる。
子供って言っても、結構大きい、16や17くらいの子もいるけど。
「優月さーん！！」
Aを見つけた人たちが駆け寄ってくる。
「宗次郎さんも一緒じゃないですか！剣心さんは？」
「3人揃ったらいいのにー…」
「3人が揃ったらやべえだろ！」
口々にそんなことをいい、僕とAの周りを囲む。
「おい待てこら！俺忘れてるぞ！！」
その中に割り込む相楽さん。
相変わらずだ。
「おろろ…さの、強引なのはよくないでござる……って、なんの騒ぎでござるか？」
緋村さんも来た。
案の定、みんなは大騒ぎだ。
そういえば、稽古の休憩中にこの4人が集まったことはなかった。
「優月さん、俺と稽古を合わせて下さい！」
一人の少年がAに言った。
年は…16くらいだろうか。
背が高くて、強気な顔をした少年だ。
弥彦にちょっと似てる。
「え、僕？いいけど……手加減しないよ？」
「は、はい！もちろんです！」
周りのざわつきがさらにうるさくなる。
Aと少年は人集りを掻き分けて道場へ上がると、木刀を手に取った。
Aは腰の刀を床に置き、袴の紐をギュッと結び直した。
そして前髪を整えると、木刀を構える。
「ちょっと…何するつもりよ。」
そこに神谷さんがやってきた。
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キーさん(プロフ) - もう7年も前の作品だけど、いつか更新されることを願ってます！ (2021年8月19日 16時) (
レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
╋雨降りジョーカー╋(プロフ) - 控えめに言って 神作品。作者さん凄すぎるわ...この作品は非の打ち所のないんだけど... (2018年10月17日 23時) (レス) id: 380c7fa183 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - とっっっても面白かったです！ 楽しい時間をありがとうございました！ (2016年12月20日 19時) (レス) id: 88676b10f6 (このIDを非表示/違反報告)
北山LOVE - チョー面白かった！宗次郎大好き！ (2016年12月10日 4時) (レス) id: 2b9049c483 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったです。宗次郎が剣心の味方なのもいいですね！ありがとうございました。。 (2016年7月3日 1時) (レス) id: c21e049532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青りんご | 作成日時：2014年12月21日 10時
