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質拾肆 ページ14

……どうしよう。
志々雄が本気で怒ったら…どうなるんだろう?


それが怖かった。




宗次郎を一瞬で消しちゃうくらいの…それくらいの力を秘めていそうで。






「宗次郎…下がったほうが……」





「今のうちに行ったほうがいい。Aこそ逆刃刀では志々雄さんと戦えない。下がって。」




右手で私を後ろに行くように促した後、刀を右手に持ち替えてゆっくりと構える宗次郎。






私も行かなくちゃ。


宗次郎が視界から消える前に。






私も刀を構えた時、地面が大きく揺れた。





「うわっ!?」



倒れそうになる私の両肩を宗次郎が支えてくれた。








「あ、ありがとう…」





「船ごと沈めようとしてるわけか。」



宗次郎が揺れる船内を見渡しながら呟いた。





「…まさかね……」



やばい…志々雄から目を離してた。
ずっと見てなきゃいけないのに…



それに気づき、咄嗟に志々雄を見る。






すると…志々雄の体からは炎が出ていた。






なにこれ…やっぱりこいつ、人間じゃない。
刀から炎が出るところとか、驚異的な身体能力から人間離れしたところがあるのは知ってる。




でも…
ついに体からは炎が出るとはね。


「いっぺんに来ちゃいましたね。これが最後だ…。」







宗次郎が私から離れ、もう一度刀を構えた。




「ダメだよ宗次郎!もう行かなくちゃ…私たちみんな死んじゃう……!!」




「大丈夫だから…。一瞬で仕留める。」




宗次郎は文字通り一瞬で…私の視界から外れ、気づいた時には志々雄の胸を突いていた。



志々雄に何か反撃される前に私が宗次郎を連れ出さなきゃ…!





私はそこまで全力で走っていき、宗次郎の手を掴む。






「志々雄さん…今までありがとうございました…。」






泣いてるの…?
頬が水で光ってる…


「恩知らずが…」




志々雄の口元が緩む。
そう呟いたのが聞こえた。






どうしよう…本当は悪い人じゃないのかも……





志々雄が今までしてきた事が、私の中でなぜか帳消しになった。






「ああもう!志々雄も行く!?」



志々雄の胸から刀を引き抜き、体を起こす。



炎は治まりつつある。
このまま小さくなってくれれば……。

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設定タグ:るろうに剣心 , 瀬田宗次郎 , 神木隆之介   
作品ジャンル:恋愛
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キーさん(プロフ) - もう7年も前の作品だけど、いつか更新されることを願ってます! (2021年8月19日 16時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
╋雨降りジョーカー╋(プロフ) - 控えめに言って 神作品。作者さん凄すぎるわ...この作品は非の打ち所のないんだけど... (2018年10月17日 23時) (レス) id: 380c7fa183 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - とっっっても面白かったです! 楽しい時間をありがとうございました! (2016年12月20日 19時) (レス) id: 88676b10f6 (このIDを非表示/違反報告)
北山LOVE - チョー面白かった!宗次郎大好き! (2016年12月10日 4時) (レス) id: 2b9049c483 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったです。宗次郎が剣心の味方なのもいいですね!ありがとうございました。。 (2016年7月3日 1時) (レス) id: c21e049532 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青りんご | 作成日時:2014年12月21日 10時

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