陸拾弐 ページ2
「A…」
「剣心さん、もう大丈夫だからね！」
急いで刀を抜き、手の紐を切る。
自由になった手を確認して、立たせると、本来なら剣心さんの首を斬るはずだった男の人がやってきた。
その男は剣心さんに刀を渡し、私を見た。
「俺の仕事を取りやがって…」
でも、その顔は笑っていて。
私逹のやったことは間違っていないことを示す。
「俺は斎藤一だ。よろしくな、狂犬。」
『狂犬』と呼ばれたことに喜びを覚えた瞬間だった。
私が強いって、認めてくれたような気がして。
宗次郎は私たちの方へ向かってきている。
返り血が顔についている。
「お久しぶりですね、緋村さん。ご無事で何よりです。」
「そうだね、無事で何よりだよ！」
「Aと宗次郎こそ無事で…助けに来てくれた。かたじけない。」
剣心さんが私と宗次郎の顔を見て少し笑う。
「今はそんな話をしてる場合じゃない。行くぞ。」
「うぉあああああああ！！！！」
物凄い声が聞こえて振り返ると、竹の柵が壊れていた。
それを壊したのは…左之助だった。
「剣心！俺も行くぜ！」
「左之…」
剣士さんが安心したように微笑む。
その間にも、警官と志々雄一派の戦いは始まっていた。
ただ、戦力の差は明らか。
見せつけられる戦力差に、指揮官も唖然とする。
気付いた時には、もう志々雄一派はいなくて。
周りには死体が山ほど。
向こうにある船に戻ったことが分かった。
「…行きますか！」
「おう！やってやるぜ！」
私の言葉に、左之助が肩を回しながら答える。
目があって、左之助が笑ったので私も笑う。
「いつの間にそんなに仲良くなったでござるか？」
「ついさっきですよ。」
剣心と宗次郎が会話している。
その光景は、驚くほどに安心感がある。
「そんな会話してる場合じゃない。早く行くぞ。」
早く行くことを必死に促す斉藤さんが少し面白い。←
生きている警官によって船が出され、私たちはそれに乗る。
警官は船を漕いでくれて船が近い。
いよいよ、決戦の時が訪れようとしていた。
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キーさん(プロフ) - もう7年も前の作品だけど、いつか更新されることを願ってます！ (2021年8月19日 16時) (
レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
╋雨降りジョーカー╋(プロフ) - 控えめに言って 神作品。作者さん凄すぎるわ...この作品は非の打ち所のないんだけど... (2018年10月17日 23時) (レス) id: 380c7fa183 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - とっっっても面白かったです！ 楽しい時間をありがとうございました！ (2016年12月20日 19時) (レス) id: 88676b10f6 (このIDを非表示/違反報告)
北山LOVE - チョー面白かった！宗次郎大好き！ (2016年12月10日 4時) (レス) id: 2b9049c483 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - めっちゃ面白かったです。宗次郎が剣心の味方なのもいいですね！ありがとうございました。。 (2016年7月3日 1時) (レス) id: c21e049532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青りんご | 作成日時：2014年12月21日 10時
