るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ6)

今日:45 hit、昨日:10 hit、合計:185,120 hit

弐什ページ6

一時間後☆
宗次郎side

「Aさん？どこですか？」

頑張って起きてみたものの、Aさんがいない。

どこに行ったんだろう…まさか、逃げた？

すると、外の方で声がした。

「あ、宗次郎！お風呂入ってきなー！」

「え？…あ、はい…」

お風呂？
あぁ確かに、ここの家にはお風呂があったな。

見つけたんだ…すごい。

「出たら朝ごはんもあるから！」

よく見ると顔が真っ黒だ。
魚…焼いてるんだ。

僕のために。

「僕は後からでもいいですから、Aさんが先に入ってください。」

「…え？あ、もしかしてお節介だった？」

あはは、勘違いしてる。
「…Aさん、顔真っ黒ですよ？」

頬をそっと撫でるAさん。
手に煤が付くのを見て、立ち上がった。

「…ありがとね！魚見といて！」

「はい。」

走ってお風呂へと駆け込んで行く。

僕が魚を焼こうとしゃがむと、Aさんが戻ってきた。

「どうしたんですか？」

「えと…着替えがない☆」←

Aさんの着物を見ると、白い着物のためか真っ黒になっていた。

「しょうがないですね。買ってきますからこれ着ててください。」

そう言って僕の着ている水色の着物を脱いで渡す。

…なんか、心なしに顔が赤くなってる…

もちろんAさんが←

受け取ってしばらくの沈黙が続く。

「あ、あ、あああ、ありがとう…！」

「…はい。」

なんでこんなに動揺してるんだろう？

Aさんについて、僕は知らないことばっかりだ。

どうして顔が赤くなってるのか、どうして動揺しているのか、全く見当も付かない。

「じ、じゃあ…入ってきます…」

「はい。僕は着物を調達してきますから、魚の火は消しますね。」

「うん！」

そしてもう一度頭を下げると、またお風呂へと行ってしまった。

「…はぁ。世話が焼けるなぁ…」

僕は火を消して町へと出かけていった。