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伍什玖 ページ48

綺麗な着物を着せてもらって、綺麗な簪をつけてもらって。

本当に感謝してる。


少し恥ずかしいけど、薫と一緒に恐る恐る玄関へ行ってみる。

緊張して薫の顔を見ると、そっと背中を押してくれた。

そっと顔を出して、それからゆっくりと体を出した。

「んだよ遅せぇよ…って、ええ!?」

弥彦がうんざりしたような顔で私達を見たかと思うと、次は驚きの表情で後退りした。

「なんで後退りしてんだよ。」

この格好でこの口調は辛いけど、左之助には男っていう設定だから仕方ない。


「今までで一番綺麗ですよ。」

宗次郎が笑顔でそう言ってくれる。
「ありがと!」

「本当、男とは思えませんね…」
バレないように演技してくれているのが嬉しい。

幸せな気分で前髪を整えた。



「おい、恵はどこいった。」

「そうね…いないわね。」



「あたしはいいわ。あんた達で行ってきなさいよ。そっちの方も治ったみたいだし。…ん?」


奥の方から笑顔でやってきた恵の目線は、宗次郎から私へ移る。


「A…いや、優月あなた、女装すると結構可愛くなるのね。」

最初に会った時のように、私の頰をぺちぺちと叩く。

「ありがと!」


「行ってらっしゃい。」


「行ってきまーす!」

みんなでそう返事をして神谷道場から出た。


「…じゃ、俺はそこで酒でも飲んでくるからよ。先戻っててくれ。」

歩いて少し経った時、左之助が言った。


「は!?早すぎねぇか?」

「うっせぇ!ガキは黙ってろ!」

「まったく…ほっときましょう?」


呆れた顔で薫が言うと、弥彦も諦めて左之助から目を離した。


「あぁー…これでやっと男のフリしなくても良くなる…」

左之助以外は知ってるわけだから、私はもう女になってもいいわけだ。

「そうね。思う存分楽しむといいわ。」

「うん!」
薫の言葉に甘えて、にっこり笑ってみせる。

小股でちょこちょこと歩いて宗次郎の隣に行く。

すると、突然宗次郎が止まった。




「あ、ちょっと待っててください。」


「え?あ、うん。」




宗次郎が小走りで曲がり角を曲がった。


「…どうしたんだろう?」

「知らねぇよ。てかよ、お前その着物どうしたんだよ。」

「私が貸したのよ。」


そんなテキトーな会話をしていると、宗次郎が帰ってきた。

何かを懐にしまって笑顔でいる。

「すみませんね。行きましょう。」


「何買ったの?」

「内緒です。」


何かありげにニコニコと笑う。



その笑顔の謎は結局分からずじまいだった。

六什→←伍什八



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設定タグ:るろうに剣心 , 瀬田宗次郎 , 神木隆之介   
作品ジャンル:恋愛
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サブリナ - ピーってなんですか? (2016年2月12日 17時) (レス) id: 35db5af957 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 平野美樹さん» え、はやわ(笑) (2014年11月23日 9時) (レス) id: 89bfc33715 (このIDを非表示/違反報告)
平野美樹(プロフ) - 青りんごさん» はよー。しーゆー。 (2014年11月23日 9時) (レス) id: 51a3ac247a (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 平野美樹さん» なんじゃそりゃ(笑)どうしただん!? (2014年11月23日 9時) (レス) id: 89bfc33715 (このIDを非表示/違反報告)
平野美樹(プロフ) - 青りんごさん» どうもしないよ?w疲れたー。 (2014年11月22日 23時) (レス) id: 51a3ac247a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青りんご | 作成日時:2014年9月15日 17時

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