るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ46)

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伍什七ページ46

次の日、私たちは午後から買い物に出かけることにした。

午前は何するかって？
稽古だよ。←

私は木刀で宗次郎に稽古をつけてもらっている。

「構え方がなってないですよ。流派とかいろいろありますけど、Aは無いみたいですし。」

流派かぁ…
私は我流だからないな。

「じゃあ宗次郎の構え方教えてよ。」

「嫌ですよ。」←

嫌…だと？←
…とにかく体の軸が変な癖ついてるから直せって話らしい。

ーーー1時間後

「構え方はもういいです。」

「はい…」

宗次郎が必死に教えてくれたけど、こればっかりは感覚だから……

結局は剣術の稽古になる。

「いつでも来てください。」

宗次郎が片足で立ち、軽くジャンプをする。
これは宗次郎が戦う前の癖。

道場の中で木刀を構えると、弥彦と左之助がやってきて興味深そうに私たちを見つめる。

「…そんな見ないでよ。」

「いいから早くやれって！」

楽しそうに見てるけど、見られると緊張するのが人間の性。

負けると思うけど、とりあえずやってみよう。

宗次郎の木刀を必死にかわす。

どれくらい経っただろうか。

「わっ！？」

宗次郎が物凄い力で木刀を振り下ろして、私の手から木刀が離れ転んだ。

対抗するように振り上げたけど、力の差が大きかった。

「負けた…」
上がる息を隠すように口を手で覆い、宗次郎を見上げる。

だけど、宗次郎の手にも木刀は握られてなくて。

「あれ…宗次郎、木刀は？」

「引き分けですよ。」

優しい微笑みを私に向けて、手を貸してくれる。

その手を掴み、立ち上がった。

見ると、床には二本の木刀が離れたところに落ちている。

「す、すげえ……」

「おう…ま、まぁ俺よりは弱いけどな…」

「なんなのよ……本当に。」

声の方を見ると、そこには薫が洗濯物を持って唖然としていた。

「生きるために習得したまでさ…」←

なんて返したらいいのか分からないからちょっとカッコつけてみた。←

「成長しましたね。」

「ありがと！」

宗次郎に褒められると、すごく自信がつく。

でも、平和な時間をほんの少し過ごしただけでも腕が鈍ってしまいそう。

それが怖い。

死にたくない。

生きて、これから起こることを見届けたい。

宗次郎を一人にしたくない。

そのためには、強くならなくちゃいけないから。

「もう一回…お願いします！」

「はい。」

木刀を拾い上げてもう一度構えた。