るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ45)

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伍什六ページ45

向かい側に座っていた薫と弥彦と左之助が私に駆け寄ってくる。

「どうすんのよ…」

「お前、何したんだよ！？」

「左之助、声がデカイんだよ！」

「お前もな！」

「そんな事で喧嘩してる場合じゃないでしょ！？」

また喧嘩が始まりそうだったので、二人を牽制する。

「それにしても…あんた此処にいたらまずいんじゃないの？」

恵が私の耳元で言う。

「あ…僕も指名手配されてますね…」

なぜか笑顔を浮かべて警察を指差す。

見ると、もう一枚の紙を取り出していた。

「続いてもう一枚。『天剣の宗次郎』こと瀬田宗次郎。先程の『人斬り狂犬』と行動を共にしている。書生風の服装、黒髪で華奢。二人ともかなりの剣豪だそうだから気をつけるように。以上！」

それだけ言うと、勝手に店の壁に紙を二枚貼り付けて行ってしまった。

「み、見に行きましょう？」

「そうですね。」

薫の提案で宗次郎と私は皆で張り紙を見に行った。

刀…一本宗次郎にあげといて良かったな。
一発でバレちゃうでしょ。

似顔絵まで描いてある。

「なんだこれ！？全然似てねえな！！」

「ばか！声がデカイつってんだろ！？」

左之助が驚いたように声を上げたお陰で店にいた客が私たちの方を向いた。

「べ、別に見たわけでもないのにそういうことは言うもんじゃないだろー？あっはっは！」←

取り敢えず笑ってごまかし、左之助を睨む。

「す、すまねえな…」

本当に…これが私と宗次郎の顔とは思えないくらい似てない。←

私なんて、女顔とか言っておきながら普通にゴリラみたいな男の顔だし。←

ちゃんと見てから描けっての。

「これじゃあずっと見つかりませんよ。」

宗次郎がヘラヘラと笑って小さく呟いた。

「分かるよ、それ。宗次郎…まず目が違う。こんなに細くないもん。」

「Aだって、目はもう少し大きくて輪郭もこんなゴツくないですよ。」

褒められてる…？

「ありがと！」

「いえ。」

宗次郎はニコッと笑うと、また張り紙を見た。
「まあいいわ。食べましょう？」

薫がそう言うと、私たちは席に戻って食事を楽しんだ。

ーーー

お腹いっぱいになった私たちは、神谷道場に戻る準備を始める。

「明日は何しようかしらね。」

楽しそうにそう持ちかけた薫。

「明日はー…気晴らしに皆で買い物に行こうよ！」

「分かったわ。楽しみね！」

そんな会話を残して店を後にした。