るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ43)

今日:21 hit、昨日:10 hit、合計:185,096 hit

伍什四ページ43

なんだかんだ言っても、結局は私…女物の着物が着たい。←

まぁそんなこと言ったって薫が持って来てくれた袴を履くんだけどね。

「あぁー…やっぱりこっちの方が動きやすいわ。」

髪を一つに束ね、結紐を巻きつけていく。

「うん、そっちの方がAらしいわ。」

「そうだよねぇ…」

私の気持ちなんて知らないで。←

「そうですか？僕はどっちも似合うと思いますけどね。」

宗次郎が言った言葉に反応して、宗次郎の方を見てしまう。

その瞬間目があって、顔が熱くなった。

「え？あ、ありがと！」

いつも通りに返せてるかどうかが気になる。

「まだ話は終わってねぇ…って、なんだお前、着替えたのか。」

左之助が弥彦を担いでこちらに向かってきている。

「離せよおおおお！！！！」←

弥彦wwwwwwwwwww

その光景に思わず吹いてしまう私に、下駄が飛んできた。←

「こら弥彦！危ないでしょ！？」

「ふざけんなよ優月！助けろ！！」

なるほど。笑

「ちょっと待ってろー！」

私は弥彦を助けるべく、道場に入り木刀を掴んだ。

「待ちなさい！」

その声に振り返ると、薫がいた。

「もう！いい加減にしなさいよ！木刀を喧嘩のためになんか使わせないわよ！」

「…はーい……」

初めて薫に怒られた。

いい意味でとれば打ち解けた。
悪い意味なら…

まぁ正直、どちらでもいい。←

薫の表情が穏やかだったから。
口では怒っているものの、その目はどこか温かくて。

その目が嬉しくて木刀を元の位置に戻した。

「さ、行こっか！」

薫もそれに頷く。

「そろそろご飯にしましょ。」

薫が私に微笑む。
なんだか…まるで私に家族ができたかのよう。

「うん！」

嬉しくなって精一杯の笑顔で受け答えた。

「みんな、薫がご飯だってさ！」

その声に弥彦と左之助の動きが止まる。

「やっと飯かよー…腹減った！」

「待ってたぜ薫！」

気づいたらもう夕方だった。

差し込む夕日がそこにいる全員の顔を赤く照らしている。

薫から借りた羽織を着て私の隣にやって来た宗次郎の目も、夕日で茶色く光っている。