るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ42)

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伍什参ページ42

「優月！逃げて！」

私がそう叫んで5分後だった。
Aが左之助に担がれて帰ってきたのは。←

どこまで逃げたのか知らないけど、5分その格好で逃げ切ったのはある意味勇者だ。←

「こいつは女だ！どうりで小さくて女っぽい顔だと思ったぜ！」

周りにそう叫びながら帰ってきた。

まったく…もう少し気を使うことはできないの？

「僕は女じゃない！ふざけんなよこのゴツ男！！」←

ジタバタ暴れているA。

「あーあ、バレちゃったみたいですね。」

「そうね…」

ゴツ男って……久しぶりに聞いた。
なんだか懐かしくて微笑ましい。

「おい薫！聞いて驚くな？こいつはな……」

「女の子なんでしょ？」

「…お前らもしかして、俺に内緒にしてたのかよ！？」

「それしかねーだろ。いい加減気づけよゴツ男。」

呆れた顔で弥彦が言った。

「下ろせゴツ男！」

「あぁ！？誰がゴツ男だテメェ！」

Aと左之助が喧嘩しだした。

「僕は女じゃない！そうだよな！？なぁ弥彦！」

「あ！？お前バレてたんじゃねーのかよ！」

「うるせぇ！！ギャーギャー言ってねぇで認めやがれ！」

いろいろカオスな展開になってきた。
何が何だかよく分からない。

すると…
「なんなのようっさいわね！」

「恵！」

Aが振り向いた。

「お前は引っ込んでろ！」

左之助が放ったその言葉に、彼女の手から薬が落ちる。

「なんですって！？」

「お前に女ができねーのも一目瞭然だな！」

弥彦がそう言った時、左之助がAを投げて弥彦に向かっていった。

「あ…着物が！」

「着物かよ！薫のバカ！！」←

ついつい言ってしまった言葉に後悔した。

「俺は女ができねぇんじゃなくて作らねぇだけだこのクソ坊主！」←

「なら作ってみなさいよ！」

はぁ…なんでいつもこうなるんだか。

でもなんか、本当に面白くてついつい笑ってしまう。

「平和ですね。」

「そうね。」

「…Aのこと、好きなんでしょ？」

2人はきっと恋人同士だ。
宗次郎がAを見る目はなんだか温かくて。

なんとなく分かってしまった。

「あはは…どうでしょうね？」

「薫ー！やっぱり袴に着替える！」

「はいはい。もう一回お風呂入って来なさい。」

「ありがとう薫！！」

その場から立ち、綺麗な着物と袴を持ちに部屋を出る。

「あ、どう？宗次郎！」

「似合ってますよ。…綺麗です。」

騒がしい庭の中、そんな会話が聞こえた。