るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ21)

今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:185,078 hit

参什四ページ21

でも待ってよ。

敵対する剣心さんと宗次郎を同じ部屋に入れたら…どうなる？

明らかにまずい。

「ちょ…っと、剣心さん、やっぱりやめようか！」

「おろ？どうしたでござるか？拙者が行ってはいけない理由でも…」

「あぁー、いや、そういうことじゃないんだよ！あっはっは！」

うわぁ…なんかもう、動揺しすぎてテンションがおかしくなったよ。←

「…まぁいいでござる。それじゃあ、拙者の部屋に来るでござるか？」

剣心さんの部屋！？

「行く行くー！」

剣心さんは、ふふっと笑って私の少し先を歩く。

しかし、その足取りは少し重い。
私が来るの、本当は嫌なのかなぁ。

「やっぱり私、用事あるからやめとくわ！」

そう、これが正解だよね。

相手の気持ちを読み取るって大切。

「用事…でござるか？」

「…うん。そうだけど…どうした？」

なんか引っかかる言い方だ。
私のその用事とはどんなものか。

そういうことを考えているのだろう。

まぁきっと、剣心さんも今夜あることは知っているはずだ。

言ってもいいかな。

「あのね、今日は志々雄と戦うから…そのために今から休憩をしようと思って。」

剣心さんの表情が、少しだけ曇った。

「A、危ないことには首を突っ込まない方がいいでござるよ。」

「大丈夫！私も剣心さんと宗次郎の力になりたいし！…あ。」

宗次郎って言っちゃった…

「そうでござるか…それでは、拙者が口を出すのはやめておくでござる。」

…あれ、なんか違う。

もっとこう…倒しに行こうとするのかなって思ったけど。

でもあれだな。
宗次郎には知られない方がいい。

「…ごめんね、ありがとう。それじゃあ、また後でね！」

押し寄せる不安を断ち切って、笑顔で手を振る。

剣心さんも私に向かって微笑み、軽く手を振った。

せっかくまた会えたのに、もうお別れなんて…寂しい。

せっかく誘ってくれたのに、断るのは悪い。

けど、それが剣心さんのためだよね。

無駄な戦いは撲滅したほうがいいし。

振り向きたい気持ちを必死に抑えて、私は部屋に戻っていった。