るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ3)

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什七ページ3

もう…ダメだ。
体力の限界。

刀を手から離して、迫る宗次郎の目を見つめ、最期の時を待つ。

お腹に激痛が走り、気を失いそうになる。

血が出ているかなんて、もはやどうでもいい。

倒れると同時に、何かに支えられる。
…宗次郎だ。

どうして…

そのまま担がれて屋敷の庭を出て行く。

「ちょっと貰って行きますね。」

「剣心…さん…」

薄れゆく意識の中で見た光景は、剣心さんの悔しそうな横顔と…折れた逆刃刀。

そうか…これだから僕を助けられなかったんだね。

どこか安心するような、そんな気持ちで意識を手放した。

ーーーーーー

「…痛い……」

頭とお腹に痛みを感じながら目を覚ました。
布団に寝ている。

ここは…どこ？

っていうか僕、殺されてなかったんだ。

お腹は痛いけど、傷はなさそうだ。

「あ、目が覚めましたか。」

変わらない微笑みを僕に向けて、宗次郎がやってくる。

宗次郎の笑顔を見るだけで、恐怖がやってくる。

「宗次郎…ここはどこ？」

「ここは僕が最近統治した村の中の家です。ちょっと見ないうちに、誰も居なくなっちゃいましたね。」

と、統治…？
支配するってことだよね。

「どうして統治なんか…」

「志々雄さんに言われたんですよ。」

…あの志々雄…？

「ねぇ、志々雄は何を企んでるの？」

「それは貴方にはまだ言えませんね。」

…まぁそうだよね。
簡単に教えてくれるはずがない。

「あ、そうだ。」
宗次郎が突然、部屋から出て行く。

なんだろ…なんか怖い。←

また入ってきた宗次郎が手に持っていたものは、僕の刀。

「これ、Aさんのでしょ？ちゃんと拾ってきましたよ。」

あ…そうだ。
僕が死ぬのを覚悟した時、刀から手を離したんだった。

ちゃんと、拾ってきてくれたんだ。

「あ、ありがとう…」

布団から起き上がろうとすると、ズキンとお腹が痛む。

「痛っ……くない…痛くない…痛くない。」

自己暗示は結構効くんだよね！←

すると宗次郎は、クスッと笑った。

「まだ起き上がらない方がいいですよ。」

「そうかなぁ。別に私は…………あ。」
やばい。「私」って言っちゃった。

「もう、わざわざ「僕」なんて使わなくていいです。」

「そ、そっか…ありがと！」

「あ、それと、これからはここで僕と一緒に暮らしますからね。」

それはつまり…うん、そういうことか。
同棲か。

待てよ。

同棲…だと？←