るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ2)

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什六ページ2

宗次郎side

それからどれくらい戦っただろう。

剣の腕は両者互角といったところだろうか。

さすが、あれだけの数の警察官を一人で殺してきただけある。

でも…もう体力が限界に近づいてるみたいだし。
それに、僕はまだ縮地をしていない。

両者互角っていうのは、縮地無しならって話。

「はぁ…はぁ…」

近づいた顔から、吐息がかかる。
よく見ると、なかなか目力があるなぁ。

何だろうなぁ…変な気持ち。

この子が虐められてた時、僕が教えてあげた事…覚えてるかな？

「強ければ生き、弱ければ死ぬ。」
それが常識なんだよ。

あの時は感情も表に出さなかったよね。
何をされても、笑ってて。

ある日突然、せきを切ったように暴れだした。

まるで…僕みたいだ。

町では事件になった。
そりゃそうだよ。あれだけの人が殺されたんだから。

おまけに真剣まで持ち出しちゃって。

殺される現場、僕は見てた。
Aさんは気づいただろうか。

あぁそれと、Aさんは結構有名人。

人斬り抜刀斎とまでは行かないけど、まだ若いから要注意。ってね。

志々雄さんはそれに目をつけた。

だから、時が来るまでAを守れって、僕に言った。

警察官の数、本当はもっといたんだよ？
少しだけ、僕が殺してあげた。

まぁしばらく見失っちゃったんだけど。

すぐ何処かへ行っちゃうから。

でもほら、やっと見つけた。

だから僕はAさんを殺さないよ。
向こうも僕を本当に殺そうとしていない。

心の何処かに、歯止めをかけている何かがある。

志々雄さんはこの子をどうするつもりかな？

僕達の仲間に…するのかなぁ？

体力さえあれば、Aさんはきっと…志々雄さんに貢献する。

けどそれじゃあ…僕はどうなる？

まぁ体力があったらの話だけど。

はっきり言って体力はない。
この程度じゃ、志々雄さんには貢献できない。

今回は逃がしてあげてもいいかな。

それか……

うん。そっちにしよう。←