眠り姫

【lost heart】NJside ページ39

NJ side


毎年2月になると

彼女は穏やかな朝を

迎えられなくなる。


乱れた布団、

寝汗でべったりと張り付いた前髪、

閉じた瞼から止めどなく溢れる涙。


痛々しく苦しむ彼女を

早く目覚めさせてあげたいのに

何度声をかけても

目覚めることさえ許されない。


やっと目覚めた彼女は

縋り付くように

俺に抱きついた。


『はぁ、、、はぁ、、、』


NJ「ゆっくり息して？

酷く、うなされてました。」


いつもより

小さく感じる彼女の体を

ぎゅっと抱きしめかえす。


『はぁ、、、ナムジュナ、、、ごめん、、、

ちょっと思い出しちゃって、、、』


謝る必要なんてないのに、、、

安心して欲しくて

ゆっくりと髪を撫で

背中に回した手で

ぽんぽんと規則正しくリズムを取る。


『ありがとう、、、もう大zy』

NJ「大丈夫なんて言わないで」


言葉を遮って

離れていく身体を

ぎゅっと腕の中に閉じ込める。


NJ「俺と一緒に少し寝ますか？」

『うぅん、、、お風呂入ってくるよ』

NJ「分かりました、待ってますね」


彼女を見送って

部屋のソファに腰掛けると

少し開いたままの部屋の扉が

控えめにノックされた。


NJ「ヌナなら、シャワー」

ひょっこり顔を出したのはホソガで

JH「そっか、始まっちゃった感じ？」

NJ「あぁ、、、」

俺の隣にそっと腰掛けて

溜息をひとつ。


NJ「声聞こえるほど、大きな声だったか？」

JH「いや、ジニヒョンが

そろそろって言ってたから。

ほら、ヒョンそういう勘鋭いからさ

見にきたら案の定って感じ？」

NJ「そうか、、、」

JH「ナムジュナ大丈夫？代わる？

苦しむヌナを間近で見る側も辛いでしょ？」

NJ「いや、俺じゃなかったとき

Aヌナ戸惑うだろうし、、、

俺なんかより誰よりもヌナが苦しんでるから。

それにホソガにお願いしたら

他も騒ぎ出すからな。」

JH「確かに、それは大騒ぎだ笑

みんなにも言っておかなきゃだね。」

NJ「はぁ、、、

それが1番大変なんだよ、、、」

JH「あはっ笑

いつにもましてヌナ争奪戦が開幕しちゃうからねー

部屋に忍び込むのも

手慣れたもんだしね？笑」

NJ「本当だよ！

ヌナが少しでも安心して眠れたら

それでいいんだけど」

JH「そうだね、、、

ナムジュナ、なにかあったら遠慮なく言ってね？」

NJ「ホソガ、ありがとな」


このことは

メンバー内では共通認識で

みんなで彼女を支えてきた。


いつか

彼女の苦しみを取り除けたら

そう願って、、、

【lost heart】JNside→←【lost heart】youside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す