夢か現実か？ ページ9
CM side
朝から
なぜか無駄に元気なユノヒョン
いや、理由は知ってますけど
今日、事務所にくるかは
本当に噂であって
皆がそうであって欲しいという
願望から立ちのぼったものだ
とは言えど
来る可能性もゼロじゃない
スタイリストさんから
買い取った服を
真剣に選ぶユノヒョンを横目に
自分もいつもより気を遣って
服を選んだことは
否定できない
＿＿＿＿＿
KAISERは僕らの2年前にデビューして
韓国アイドル旋風に
再び火をつけた
僕らとKAISERのカムバは
かぶることはなく
同じステージに立つことは
そうそうなかった
そして僕らの危機とも言える
活動休止と共に
米国デビューに踏み切った
練習生になったときには
デビューしていたふたりは
雲の上の上の存在で
話をする機会は
僕にはなかった
でも
いつかいつか
そう思っていた
活動休止と発表されて
ペン達の分裂
閉ざされた未来
全てが
闇に染まった
あのとき
ジユンヌナは
僕を訪ねてきた
明かりもつけずに
いつも皆で共にした
練習室で
ひとりただただ時が戻らないことを
実感していた僕を
ヌナは見つけてくれた
コンコンっ
そっと開いた扉から
you「ごめんね。入るよ」
聞き間違いかと
その声を聞いて
思った
僕の返事を待たずに
入ってきた
美しい人は
ジユンヌナだった
少し悲しげに
僕を見て
何も言わずに
ピアノへ向かった
ゆっくりと
流れる音楽たちは
どれもなぜか
聞き覚えのあるようで
僕の頬に涙が伝った
止まらなくて
止まらなくて
拭っても抜っても
止まらなくて
声をあげて泣いた
まるで駄々をこねる子どものように
いつの間にかジユンヌナは
僕の目の前にいて
涙を拭って
こう言った
you「息をしなさい
泣きなさい
そして前を向きなさい」
まっすぐ見つめる
瞳の奥には
僕にはない
輝きがあった
CM「は、はい」
you「たしかに貴方は失った
でも
全てじゃない
後ろをずっと振り返っても
それは過去でしかないわ
後ろに彼らはいない
すでに彼らは前を歩いているわ
貴方に泣き顔は似合わない」
そして
僕の頭を優しく撫でて
you「3年後は笑顔でね」
ふふっと
楽しそうに笑って
去っていった
はっと
僕は目覚めたら
自分のベットで
あれが夢なのか
現実だったのか
わからなかった
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作者名：リン | 作成日時：2015年3月14日 23時
