増やす証 ページ8
you side
ホテルから引っ越すまで
1週間の期間があり
私達には珍しく
休みというもう3年ほどなかった
プレゼントが送られた
体はもう限界で
正直安堵でいっぱいだ
思えば
アメリカへ飛んで
売れるまで
そんな時間はかからなかった
忙しすぎたのだ
3ヶ月かけて
準備を徹底的に行った
英語、歌、ダンス
さらには
アメリカ向けの作詞作曲
それにくわえて
フランス語・ドイツ語・中国語・日本語
とにかく
練習練習練習
繰り返して
新曲を発表した
音源公開を先行させ
ラジオ活動に力を入れた
ここで
かなりの手応えを得て
テレビへと媒体を拡大した
テレビに出てからは
馬鹿みたいに人気がでて
寝る暇もなく
活動した
カフェで一息つく暇さえなかった
一年間
出せるだけ
全力で曲を発表した
私が作曲
ガユンが作詞
完全なる私たちの音楽
全て自ら演奏してレコーディングする
だから
人一倍いや人何十倍努力をしてきた
今では
お互い演奏できない楽器や楽譜はない
そこまでやりぬいたからこそ
成し遂げられた
KAISER worldtour ONE
そして
TWO
THREE
私たちのLIVEは関係者席が存在しない
友達にも
チケットは配らない
本当に私たちの音楽を聴きたい人に
私たちは届けたい
会社にも反対されたが
押しきった
2度目のworldtourからは
個人の仕事は舞い込んで
俳優として
ドラマや映画に出演
本気で体がひとつでは足りなくて
それでも
舞い込んだ仕事は断らない
そのプライドで
やってきた
______
お風呂に入って
鏡を見つめると
映る自分の姿
左の手首に
刻んだ証
”You shape your own destiny”
運命は自分の手で作り上げるもの
新たな証を
ふわりと
背中に
ゆっくりと
かけられた
バスローブ
G「風邪ひくよ?」
ぎゅっと
抱きしめられる
you「ごめん」
G「遅いから…」
左手首の証をなぞる指
G「増やすの?」
you「うん、怒る?」
ふふっ
軽く笑ったガユンは
G「いいけど、僕も増やす」
you「同じにするの?笑」
G「うーん、対になるように笑」
you「それも面白いかもね」
G「後でデザイン考えよう」
どこまでも
私と共にあることを望むガユン
その依存こそが
私をここまで生かした
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リン | 作成日時:2015年3月14日 23時