少し不安なこと ページ7
G side
やっと
ホテルについて
ふたりして
ベットに倒れこんだ
サセンに追っかけられて
予定のチェックインより2時間も遅くなった
ジユンヌナは
ゆっくりと深呼吸を
僕はその様子を
じっと見つめていた
くっきり二重
長い睫毛
すっと通った鼻筋
ちょっと厚めの唇
細い首
ふくよかな胸
滑らかなウエスト
少し骨ばった腰
長い手足
ほんとに均整が取れている理想の体
これを維持する努力
それを全く見せないプロ意識
どれも
超えることはできないと思う
完璧主義者とは
彼女のことなのだろう
静かに頬を伝う涙
こうして
痛みを
流す
そっと隣に腰をかけて
親指でその痛みを拭う
G「ヌナ、大丈夫だよ」
静かに頷いた彼女
僕だけに見せる痛み
感情を表に出すのが
とことん苦手なこと
隣に僕がいないと眠れないほど
夜が嫌いなこと
多くのものを背負った彼女には
多くのものを捨てることしかできなかった
そうさせたのは
きっと僕だから
どうか
誰も彼女を傷つけないで
ひとつのベットに潜り込んで
寄り添うしかできない僕をどうか許して
そして
僕はあの日の夢をみる
_____
朝は
必ず先に
ジユンヌナが
起きていて
昨日の様子は
全くなく
綺麗な笑顔を
僕だけに見せてくれる
外での笑顔は
偽物だと
一体誰が気づくのだろう
本当の笑顔を知っている僕以外
きっと気づくことはないのだろう
それはとても残念なこと
でも
それはとても幸せなこと
僕だけのヌナでいてくれるから
外でも
ジユンヌナそう呼べるのは
僕とシュロースだけ
ジユンヌナは
後輩にもヌナ呼びさせない
逆に言えば
ヌナは後輩を名前で呼ばない
きっと僕の気持ちを知ってるから
最高に我儘で
エゴだってわかってる
けど
渡す気はないから
でも
少しだけ
不安なんだよね
誰かのものになってしまいそうで
だって
彼らも成長したでしょう?
ま、僕を頷かせなきゃ何も
できないけどね
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作者名:リン | 作成日時:2015年3月14日 23時