溢れかえるシュロ ページ4
空港を出るまでが
とてつもなく
長かった
甘く見ていた私たちは
サングラスくらいしか
持っておらず
逆に
自らがKAISERですよーっと
主張しているかのようだった
もう少し静かに
母国へ上陸するつもりが
まぁ仕方がない
G「ジユンヌナ、僕変じゃない?」
you「格好?」
G「うん…」
you「ガユンが変なら私も変だよ笑」
私たちは
いつも
ペアルックだ
服の好みが
モロかぶりなのだ
私が欲しい服は
ガユンも欲しい
ガユンが欲しい服は
私も欲しい
だから
レディースもメンズも
どちらも買ってしまう
今日は
二人とも
ホワイトコーデ
白のハイネックに
白デニム
キャメル色のチェスターコート
黒い淵の大きいハット
さらに言えば
私が170cm
ガユンが185cm
お互い背が高いため
いやでも目立ってしまう
入国審査を
済ませ
空港内へ
開けた
スペースに出た瞬間
カシャカシャカシャ
パシャパシャパシャ
激しいフラッシュ
「「きゃあー」」
「デルオンニー!!!!」
「デルー!!!」
「ダルオッパー!!!!」
「ダルー!!!」
私の芸名はデル
ガユンの芸名はダル
ドイツ語
アーデルベルト
アーダルベルト
どちらも<気高く輝く>を意味する
そこから名付けられた
ふたりで
軽く手を振り
足を進める
しかし
人混みをかきわけなければ
ならないため
なかなか進めない
ソンムルが
たくさん投げ込まれ
正直安全ではない
ガユンが
私の服を掴む
G「ヌナっ!」
you「大丈夫!ヌナが付いてるから、ね?」
震える手を
握りしめ
隣に引き寄せた
腰に回される腕
密着する体
やっとのことで
車へと辿り着けた
you「ガユン、大丈夫?」
G「ヌナ、お水ちょうだい」
you「はい、ゆっくりね」
キャップを開けてペットボトルを渡すと
少し落ち着いたようだった
ふぅ…
この生活にも慣れなきゃならいのか
私たち
いやガユンにとって
アメリカの方がよかったのか
どうなのか
よくわからなくなった
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作者名:リン | 作成日時:2015年3月14日 23時