ダメだ… ページ19
LY side
やっぱりすごかった
みんなには言ってないけど
僕はSCHLOSS
多分ニョルよりペン歴長いと思う
LIVEにも何度も行ったことがある
でも
同じ事務所なのに
会話することも
同じステージに立つことも
まだ叶っていなかった
KAISERが
どうしてアメリカデビューしたのかは
様々な憶測が飛び交って
良くも悪くも言われたけど
SCHLOSSは
皆、KAISERふたりの言葉だけ
信じると誓って
ずっと応援してきた
僕も
どうして僕らを見て
厳しい空気になったのかは
なんとなく想像がついた
きっとルハ二ヒョンもだろう
なんでかって?
ルハ二ヒョンの部屋で
KAISERのサイン入りアルバムを
見つけたから
それを皆に隠すのも
僕と同じ理由かな
KAISERは
SM最長アイドル
だからこそ
これまでの様々な困難を見てきた
去っていた者をよく知ってるんだ
だから
きっと僕らを見て
最悪の未来を思ったはず
そして
それが招いた憶測
何も悪くなかったのに
誰かのせいにしたかった
ただそれだけで
追い詰められた
長年のSCHLOSSだけが知る真実
あれだけの激しいダンスと
ロングトーンの多いバラード
乾燥した部屋
さっき
買ってきた
ミネラルウォーターを
思い切って
渡すため話しかけると
笑顔で少し驚いたように
受け取ってくれたダルヒョン
噂通り
ふたりでひとつを分け合うKAISER
ペン心が騒いで
はしゃぎたい気持ちを抑え
戻ってきた1本のミネラルウォーターを
見つめていると
足取り軽やかに目の前に立ったのは
デルヌナで
LY「!!!」
驚くと
さらに
頭を優しく撫でられ
you《来てくれたよね?サイン会もLIVEも
たしか、イーシン?だよね名前は
気遣ってくれてありがとう
もう1本はそこの泣き虫ちゃんにあげて笑》
綺麗な中国語で
夢のような言葉を
これまでにはなかった
花のような笑顔を向けてくれた
LY《は、はい!イーシンです!
覚えてくれてたんですか?》
これまた華麗にウィンクで
YESと返され
さらに
ルハンに近づいて
再び綺麗な中国語で話しかけるデルヌナ
冷静だった頭は
状況を理解し始めて
さっきの出来事が
信じられなくて
自分の頭に手をおいた
撫でられた髪
感じた微かな温もり
向けられた笑顔
優しく美しい声
ダメだぁ
僕ダメだ…
どうしよ
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作者名:リン | 作成日時:2015年3月14日 23時