検索窓
今日:12 hit、昨日:7 hit、合計:9,518 hit

体感する凄さ ページ17

KA side


ニョルヒョンが


元気よく声をあげて


Magic Nightを


リクエストして


まぁ俺もそれが見たかったけど


なんだか


デルヌナの視界に


少しでも


映り込めた


ヒョンが羨ましかった


全米を


熱狂させたヒット曲


KAISERの名を一気に世界に広めた


ふたりは


長いニットカーデを脱ぎ


ニット帽とサングラスを


外して


黒いサテンの布で


目を覆って


ハットをかぶった


目には見えないけれど


空気が


張り詰めた


誰かが息を飲むのを感じた






目隠しをしているので


お互いの距離も位置も


わからないはずなのに


どうしてなんだ?


部屋の中心に合わせて


均等に


位置についた


デルヌナが


片手を上げた瞬間に


メロディが流れると


滑らかに踊りだすふたり


怖いくらいに


シンクロする動き


止まることのないステップ


マイクも使わず


歌い出す


その声は


響き渡り


心を震わせた





全てがカッコよくて


一つ一つの仕草が


パフォーマンスを


構成していて


引き込まれた





ふたりの表情は


口元しかわからないのに


時に楽しそうに


時に妖艶に


色を変えた


一緒に踊りたい


いや


きっと今のレベルでは


ただのバックダンサーにもなれない


邪魔なだけだ


同じステージに立てるくらい


もっともっと上手くなりたい


たった4分半なのに


俺には永遠のように感じて


動けなくなった


一瞬たりとも


手を抜かず


激しいダンスと共に


マイク無しで


歌い終えたはずなのに


息も上げず


ぴたりと


最後に決めたKAISER





世界を相手に


最高のパフォーマンスを


届けてきたふたりとの


レベルの差に


誰もが


圧倒された





無言で


デルヌナとダルヒョンは


ハットと目隠しを外して


髪をかきあげ


ピアノへ向かうヌナ


ギターを手にするヒョン


背中合わせで座り


合図もなく


奏でられるメロディ


それは


打って変わって


穏やかな曲調


デルヌナの伸びやかな歌声


ダルヒョンの優しい歌声が


折り重なって


英語がわからない俺でも


伝わってくる


切なさ


寂しさ


虚しさ


これほどの実力


想像以上で






憧れである


ふたり


さらには


淡い希望すらないヌナへの想い


それらは


ヌナとヒョンの


目には見えない


絶対的信頼感を


嫌でも感じさせ


戦わずして敗北感を俺に残した…

心をもってかれた→←イラつく



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
設定タグ:SMファミリー , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リン | 作成日時:2015年3月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。