韓国上陸 ページ2
ふぅ
長い長いアメリカでの生活に
やっと終止符が打たれた
隣の席には
すやすやと眠る
弟の姿
やはり
愛おしい
頭を撫でてあげると
あのころと変わらぬ感触
少し微笑んだ柔らかな
表情になった気がした
もう何も恐れるものはない
そう思えた
だって
私たちは
あのときとはもう違う
私たちは
名声・地位・富
全て確立して
ここにいるのだから
だから
もう安心
誰からも
蔑まされることはない
少しだけ
少しだけ
眠ろう
ゆっくりと
ゆっくりと
まぶたを押し下げた
G「…ヌナっ…ジユンヌナ」
you「んっ…」
G「もうそろそろ着くよ？」
どうやら深い眠りについていたみたい
you「ありがと、ガユン」
G「寝れたみたいでよかった、大丈夫？」
心配性の弟ガユンは
不安そうに私を見つめている
you「大丈夫だよ、心配しないで」
しっかりと見つめて
笑顔で返すと
いつの間にか握っていた
手に力がこもった
それもそのはず
出国の前日の夜まで
ドラマの撮影が詰まっていて
さらには
作曲の準備が重なって
ほとんど寝る暇がなかった
そんな私を知っている
ガユンは
いつ私がぶっ倒れるのか
ひやひやしていたに違いない
＿＿＿＿＿
機内アナウンスが流れる
G「ねぇヌナ、空港でチョコ買っていい？
あと、本屋にもよりたい！」
you「ガユン、チョコは別に空港じゃなくても買えるよ？」
G「え、アーモンドミルクチョコだよ！
空港でしか売ってないよー」
you「えー」
G「お願い、ヌナ〜」
でた、ガユンのお願い
私が弱いこと知ってて
ずるいな、もう
you「はぁ、わかったよ」
ま、この時間なら
そんな混んでないだろうし
見つからないでしょ
ってか見つかるとか
どうこうじゃないでしょ
そんなふうに高を括っていた
そんな自分に後悔するのは
一時間もしなかった
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作者名：リン | 作成日時：2015年3月14日 23時
