孤児少女の行く先は… (ページ1)

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第一話ページ1

鏡の前に立ってまじまじと自分の顔、主に目を見つめる。
「なぁ、お母さん。やっぱりこの目の色って他の人から見たら不気味なんかな？」
鏡から目を背けそう母に問いかけた。
母は
「んー、そうかなぁ？私は綺麗やと思うけどなぁ。目の色についてなんか言われても気にせんとけばええんやない？それがレイアの個性でもあるんやし。」
「うーん…そうかなぁ…」
首を捻りながらもう一度鏡の中の私を見る。
私は生まれつき目の色が違う。
幼い頃は気にしていなかったけど年齢が高くなっていくにつれ、少しずつ気になりはじめていた。
「また目の色のこと気にしとるん？私はその色かわええと思うよ？」
どこから現れたのか姉が私の肩に自分の顎を乗っけ恨めしそうにいった。
「お姉ちゃん！？…かわええ、なぁ……。」
「じゃあ聞くけどレイアは黄緑色と紫色嫌いなん？」
「別に嫌いや無い、寧ろ好き…。」
目を伏せながらそえ呟くと
「好きならええやん。」
そう言って姉はくるりと身を翻し自分の部屋へ入っていった。
小さくため息を吐き窓の外を見るとどんよりと曇っている空に航空機が牽制するように低空飛行していた。
母が座っている椅子の向かいの椅子を引き母と向かい合う形で私は座った。
「お母さん。最近戦争が起きそうなんやろ？」
母は小さく目を開きぎこちない笑みを張り付けて
「その情報、どこから聞いたん？」
と言った。
「どこからって…噂になってるで。確かここを領地に持っている国と外交してた国の関係が悪くなったからっていう話。」
母は小さく息を吐き疲れた様に笑うと
「レイアって適当な様に見えて結構繊細やし、噂話とか好きよね。」
「引っ越しせんの？少しでも安全なところへっていうことで引っ越す人もおるみたいやし…。」
母はゆるゆると首を振り
「あんたらの安全を第一に考えたいけど、この戦況じゃうちの国の領土の何処へ行ったって危険なのには変わりないんよ。もしも危なくなったらあんた達だけでも逃げてな。最悪、独りでも。全員生き残る、なんて幸せな道は、もう、残っとらんと思うから。」
最後らへんの母の言葉は消え入りそうな程に小さく震えていた。
母はチラッと時計を見て
「もうこんな時間やし寝よっか。お休み。」
そう言った。
「うん。お休み。」
母に手を振り自室に入った。
布団に入り目を閉じると段々眠くなってきて、私の意識は奥底へと沈んでいった。