被検体、拾いました。【浦.島.坂田.船】 (ページ3)

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『さて、勉強するか』

スマホと接続したワイヤレスイヤホンで作業用BGMを流して、テーブルの上にルーズリーフと英語の参考書を開いて、勉強を始める。

大学受験自体は今日で全てが終わったから、結果を待つだけ。

大学受験対策の勉強ではないから、切羽詰って勉強する必要は無い。

『疲れた。』

勉強を始めて、1時間ぐらい経った。

流石にぶっ続けで1時間勉強したら、喉が渇いた。

丁度、きりがいいから、休憩するか。

ソファから立ち上がり、キッチンに行こうとすると、4人を寝かせていた部屋の扉が開く音がした。

『起きたのか？』

ふらっと、人影が見えたから、声をかけても、反応がない。

『おい？』

何か体調が悪いのかと思って、その人影に向かって駆け寄る。

『かはっ…』

背中に鋭い痛みが走る。

何かに…吹き飛ばされた？

突然の事で、あまり回らない頭を回していると、首を締められ、怖くて目を閉じる。

『だ、れ、だ。あん…た。』

目を開けて、私の首を締めている張本人を見る。

天使のような羽が生えていて、頭には角が２本生えている男。

その男には、廃墟で助けた緑の瞳の男性に似ていた。

『廃墟に…いた…男…。』

やばい、息苦しくなってきた。

必死の思いで、男のお腹を蹴る。

それで、緩くなった手から逃れる。

『一旦、落ち着けや！』

その声に驚いて、目の前にいる緑の瞳の男性はもちろん、物の影に隠れていた3人も驚いた。

う「お前、俺たちを連れ戻しに来たんじゃないのか？」

連れ戻しに来た？どこに連れ戻すんや。

『戻す？なんの話？

私は、たまたま気になって中に入った廃墟にあんたらが寝てたから、可哀想だと思って家に連れてきたんだけど、迷惑か？』

さ「僕達のこと怖くないん？」

確かにこの状況考えて見りゃ怖いな。

堕天使？と、ゾンビと、賢者？と、キョンシーに囲まれてる。

『まぁ、立って話すのもあれだ。

今、お茶入れるからそこに座って。』

キッチンで5つのマグカップにお茶を入れて、リビングのテーブルの上におき、4人と対面するように座る。

『私は、AA。

あんたら、名前は？』

う「うらたぬき。」

し「志麻。」

さ「坂田。」

せ「センラ。」

苗字がない。

さっきの“研究員”って言葉。

なんかの施設の出か？

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