被検体、拾いました。【浦.島.坂田.船】

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『はぁ。疲れた。』

今日は、大学入試の受験日当日。

で、今終わった。

まぁ、問題自体は簡単だったけど、人多かった。


家の近くの道…っていっても、いつも使ってる道は、今日が祝日だから、人でごった返していて、通りたくない。

近くのコンビニで買ったコーラで喉を潤す。

その時、ふと視界に入るものに目がいった。

普段この道をあまり使わないだけで、時々、使っている。

ここに廃墟なんてなかった。

気になって、廃墟の玄関前に来たが、床は軋むし、屋根やそれを支えている柱は朽ちている。

こんな廃墟なら普通気づくはずなんだけどな。

『帰って、ゲームでもするか。』

さっき歩いていた道に戻ろうと思い歩き始めようとすると、ギーと、扉の開く音がした。

さっきの扉を見ると、ちゃんと閉まっていたはずの扉が半開きになっていた。

風が吹いていないから、風で扉が開いたわけではない。

まるで、私を誘っているよう。

『入っていいのか？』

意を決して、ドアノブに手をかけて、扉を開けて、廃墟の中に入る。

『眩しっ。』

扉を閉めた瞬間に、周りが光り始め、眩しすぎて、目を閉じる。


1分ぐらい経っただろうか。

目を開くと、さっきとは全く違った光景が視界に映った。

正装を来た紳士淑女が仮面をつけて、曲に合わせて踊っている。

目立たないように周りを見ると、2階の踊り場みたいな場所に私と同い年ぐらいの緑、紫、赤、黄色の瞳を持つ男性がワイングラスを持って、立っていた。

『んだここ。』

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