転スラ!!〜異国転生物語〜

友達 ページ31

「この部屋だ」

『·····』

私は大きく深呼吸をしてドアのぶに触れる

「間違えても体当たりするなよ」

『しつこい!!』

私は半ばキレ気味に言い､ドアを開けた

部屋の中は窓が開いていて眩しい

眼が光に慣れてくると､布団に入りながら体を起こし窓の外を見ている蒼がいた

『·····蒼?』

蒼はゆっくりと振り返り､私をじっと見つめる

「·····誰?」

記憶が曖昧なのだろう

あの時の会話は忘れているようだ

『私だよ·····蒼 私が誰か分かる?』

「·····」

蒼は黙っている

後ろにいたリムルが静かに外に出た

2人で話せってことだろう

『私が誰か分かる?』

私はもう一度蒼に聞いた

「·····オレオレ詐欺ならぬワタシワタシ詐欺？」

『ぶふっ·····!!』

私はつい吹き出してしまった

生前のあの面白さは残っている

私が腹を抱えて笑っていると､蒼もつられて笑いだした

2人で大笑いしているとなんだか懐かしい気分になった

昔は毎日のように3人で大笑いしたなぁ

「それよりあなた·····なんで私の名前を知ってるの?」

私は少し考えた

このまま正体を言っていいのだろうか

もしも言ったらこんな風に話す事が出来なくなるのではないか

『·····んーん なんとなく』

蒼は首を傾げた

『それよりも､友達になってよ!!この世界での1番目の友達に!!』

私がそう言うと蒼は驚いたような顔をして懐かしい者を見るかのように目を細めた

「うん!!」

名前→←眠気

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す