転スラ!!〜異国転生物語〜

プロローグ4 ページ4

『蒼､もう少しだよ』

「うん」

入り口はさっき瓦礫で塞がれた

裏口から出るしかない

すぐにでも出ないと危ない

今にもこのビルは崩れそうだ

裏口から出ようとしたその時

頭上から瓦礫が落ちてきた

「キャァァァァァァァァァァァア」

蒼が悲鳴をあげる

Aは迷うことなく

蒼を出口へと突き飛ばした

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

突き飛ばされた蒼は後ろを振り返った

後ろにいるはずのAはそこにはいない

あるのは瓦礫ばかり

蒼はしばらくその場に座り込みハッとしたように瓦礫をどかし始めた

綺麗な爪から血が滲む

その眼から涙がこぼれた

遠くから涼香が走ってくる

涼香は蒼の様子を見て何かを察した

遅いレスキュー隊と救急隊の到着だった

救急隊員は蒼を宥める

「中に·····まだ·····Aが·····」

レスキュー隊員の1人を見て蒼は言った

レスキュー隊員はフッと首を振った

涼香はその様子を見て我慢していた涙がこぼれた

蒼はこれ以上ないほどの声を上げ泣き叫んだ

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