#7 中の人、外の人 3 ページ7
本当は、どこかで予感している。
団長がこんな風に私を呼ぶ時は、
存外(ぞんがい)まずい時らしいってーーー。
沈黙をなんとかしたくて、
A「…私物(しぶつ)を取りに来たの。リヴァイと、急にああいう事(=結婚)になっちゃったから、色々置いたままだったし…」
ミカサ「それなら大丈夫。全部、そのままにしてある。来て」
ミカサに腕を引かれて、部屋に入った。ほんのすこし前まで、ここが、私の「家」だったのだ。
辛いことも嬉しいことも一緒に乗り越えた、104期のみんなとずっと過ごして、これからも巨人と戦って、生きていくんだと思っていた。
それなのに。
あの朝、リヴァイの尋常でない気配に押されてーーー
私は、結婚を承諾してしまったのだ。
誰かに相談をすることも、
返事を待ってもらうことも考えなかった。
(まぁ、リヴァイがその隙を与えなかった、というのが正しいかもしれないが)
恐怖心もたしかだったけれど、
それ以前に、
リヴァイの瞳があんまりに真剣で、とても断れる雰囲気じゃなかったからーーー。
ミカサ「…A？どうしたの、怖い顔をしているけれど」
ミカサに言われて、我に返る。なんでもないよ、と言いながら、書き溜めていた日記帳や座学で取ったノートを、集めて両手に抱きかかえる。
A「…よい、しょっと。これで全部かな。ありがとうね、ミカサ」
立ち上がって、思わずふらつく。片腕を、ミカサが怖い顔をして受け止めてくれた。
ミカサ「…あのね、A」
A「うん？」
ミカサ「私が聞くべきことではないだろうけれど…。今更、だとは思うけれど…。」
A「らしくないよ、ミカサ。はっきり言って、びっくりしないから」
ミカサ「そう…。だったら、聞く。
…後悔は、していない？」
A「…え？なんのこと？」
ミカサ「…後悔、していない？Aが兵長との結婚を選んだ理由(わけ)が、私にはどうしても理解できないから」
胸の奥に、ミカサの言葉が突き刺さってーーー
私はすぐには、返事ができなかった。
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りりこ(プロフ) - かたちなにさん» はじめまして、コメありがとうです！展開がややこしいお話なので、気に入っていただけてこちらも嬉しいです！糧にして、頑張って続き書きますね〜笑 2幕以降もお楽しみいただければ、幸いです！ (2016年10月15日 13時) (
レス) id: f30cb6bd23 (このIDを非表示/違反報告)
かたちなに(プロフ) - 見入ってしまった! 話が深くてとても面白い! 興味本位で読み始めたけどワクワクが止まりません笑 とても素晴らしい作品！！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 750b6b2d88 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» こちらこそ、混乱させてしまって、ごめんなさいね（泣）精進いたします！応援&コメント、本当にありがとうございました！ (2016年3月11日 17時) (レス) id: b097ba1888 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうでしたか！細かな説明ありがとうございます！どちらの作品も楽しく読まさせてもらってます！これからも応援してるので頑張ってください (2016年3月11日 15時) (レス) id: 3eef4ca069 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» というイメージです。ある種の「パラレル展開」という傾向ですね。長々と連投、すみません。あちらの作品は、「甘々展開だけが読みたい！」と思われた時にでも、立ち寄っていただければ、幸いです。コメントありがとうございました！ (2016年3月11日 12時) (レス) id: ac8a3e0fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりこ | 作成日時：2015年7月10日 2時
