#29 半年前、某日（ぼうじつ）3 ページ29
(リヴァイ視点)
森の中程で、巨人の人形を見つけた。
ーーーここか。
高度を下げて、俺は飛ぶ。
突き抜けてでかい木に、見知った部下の頭を見つけた。
教官(リヴァイからすれば部下)「ジャン・キルシュタイン！！スタンドプレーを謹め(つつしめ)と、何度言ったら分かるんだ！もう一度訓練兵から、でなおしたいのか！」
ジャン「申し訳ありません！今後気をつけます！」
リヴァイ「…おい。お前でも、ずいぶんな口をきくんだな」
奴の背後に降りたった。
部下「…へ、兵長！驚かさないでくださいよ！！どうしてこんな所に…」
リヴァイ「…チッ。…人を探している。
A・ビビアントは、どいつだ」
部下「A…。丁度今から来ますよ。
でも、兵長。忠告です。…絶対に今から、気を抜かないでください。危険です。ちゃんと自分で、逃げ切ってくださいね。俺も庇い(かば)きれませんから」
リヴァイ「馬鹿言え。なんで俺が、お前に庇(かば)われなくちゃいけねえんだ。訳が分からん。…A・ビビアントは新兵だぞ？」
部下「まぁ、見ていれば分かります…。
(大声で)おーい、A・ビビアント！
準備はいいか！」
A「はい！！！いつでも行けます！！」
少しだけ高い女の声で、返事が返ってくる。
部下「…兵長。忠告、しましたからね。あとは何が起きても知りませんから」
額から尋常でない量の汗を流して、我が部下は言う。
部下「よし、A・ビビアント！！！始め！」
A「…はいっ！！」
返事から数秒後、立体起動の作動音が、だんだん近づいて来たのが分かった。
部下の視線が、空に向く。
つられて俺も、同じ方向を見上げた。
飛び出したのは、存外ちいさな影。
刃を振り上げ、体の回転で勢いをつけて、
A「ーーーっ、はああああっ！！！」
人形のうなじに、女は豪快に刃を入れる。
規定値よりかなり大きい気がするが…。
固められた木屑が見事に抉られて、
「…ほう」
勢いだけなら、悪くない。
うちに欲しいくらいだ。
一度通り過ぎた女が、振り向く。
顔が見えた。
ーーーこれが、A・ビビアント、か。
ーーー悪くねえな。
空中で目が合う。
Aのアンカーがキュルキュルと戻ってーーー、
あとは、手頃な木の上に、着地を決めるだけだった筈だ。
ーーーそれなのに。
A「…っぎゃああああっ！！！」
あいつは見事に、やらかしやがった。
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りりこ(プロフ) - かたちなにさん» はじめまして、コメありがとうです！展開がややこしいお話なので、気に入っていただけてこちらも嬉しいです！糧にして、頑張って続き書きますね〜笑 2幕以降もお楽しみいただければ、幸いです！ (2016年10月15日 13時) (
レス) id: f30cb6bd23 (このIDを非表示/違反報告)
かたちなに(プロフ) - 見入ってしまった! 話が深くてとても面白い! 興味本位で読み始めたけどワクワクが止まりません笑 とても素晴らしい作品！！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 750b6b2d88 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» こちらこそ、混乱させてしまって、ごめんなさいね（泣）精進いたします！応援&コメント、本当にありがとうございました！ (2016年3月11日 17時) (レス) id: b097ba1888 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうでしたか！細かな説明ありがとうございます！どちらの作品も楽しく読まさせてもらってます！これからも応援してるので頑張ってください (2016年3月11日 15時) (レス) id: 3eef4ca069 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» というイメージです。ある種の「パラレル展開」という傾向ですね。長々と連投、すみません。あちらの作品は、「甘々展開だけが読みたい！」と思われた時にでも、立ち寄っていただければ、幸いです。コメントありがとうございました！ (2016年3月11日 12時) (レス) id: ac8a3e0fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりこ | 作成日時：2015年7月10日 2時
