#16 外の人、中の人 6 ページ16
ハンジ「で？で？Aとはどんな感じなの？一緒に住んでるってことはさ、やっぱ色々進むじゃん！？
なに、オオカミリヴァイくんはまだ羊のふりしてるってわけ！？
いや無理でしょー、だってリヴァイだよ？」
リヴァイ「テメェ…。少しは黙れないのか。本当に削ぐぞ」
本部の前でハンジに追いつかれて、俺はさっきから、質問攻めに次ぐ質問責めにあっている。
俺とAの婚姻関係を知る、数少ない幹部のひとり。
だからこそ、興味をそそられて仕方がないらしい。
ーーーまぁ、たしかに。
カタブツで頑固で暴力的な男(=勿論俺のことだ)と、
可憐で年端もいかない女が、
一つ屋根の下で寝食を共にしているなんて。
ーーーよくできた童話かよ。
まったく、他人事でない分厄介だが。
ハンジ「ふふーん、な、る、ほ、ど。
今んとこ『男』の部分は、まだ、そこまで見せてないってことか。
ま、そうだよね。相手がAじゃ、リヴァイ、ほとんど犯罪者だもんねーーー」
リヴァイ「放っとけ」
ハンジ「…でもさ、我慢の限界なんて思ってたよりはやく来るもんなんじゃないの？
溜め込んで爆発させるより、小出しにしてく方がいいんじゃない？」
リヴァイ「俺に限って言えば、大丈夫だと思うがな」
ハンジ「大丈夫、ねぇ…。いきなりAの奴が、泣いて私に縋って(すがって)来なきゃいいけど」
リヴァイ「間違っても、てめえの所には行かせねぇよ…。ところで、ハンジ」
ハンジ「なにー？」
リヴァイ「お前、いつまで人にくっついて来るつもりだ。
俺はエルヴィンに呼び出されて、ここにいる。
てめえには、てめえの仕事がある筈だろ」
ハンジ「まぁ、わざわざエルヴィンの、爽やかなツラ拝みに来たわけじゃないよね。
私は私で呼ばれたんだよ、リヴァイ」
にっ、とハンジが笑う。
ハンジ「実は、こっちの方の実験がなかなか上手く行ってね。
『あの作戦』を実行する目処(めど)が、ようやく立ち始めたってワケ」
ーーーだから、リヴァイ。
メガネの奥の目を光らせて、ハンジは一瞬、
真剣な顔をする。
こいつだって、共に修羅場(しゅらば)を何度も潜った兵士のひとり、なのだ。
ーーーこの後、自分が何をどうすべきか。
俺以上に分かっているはず。
ハンジ「リヴァイ。悪いことは、言わない…。そろそろAを、手放す準備を始めた方がいいんじゃないかな」
背筋を、冷たい汗が伝っていくのが
自分でも分かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 956人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりこ(プロフ) - かたちなにさん» はじめまして、コメありがとうです！展開がややこしいお話なので、気に入っていただけてこちらも嬉しいです！糧にして、頑張って続き書きますね〜笑 2幕以降もお楽しみいただければ、幸いです！ (2016年10月15日 13時) (
レス) id: f30cb6bd23 (このIDを非表示/違反報告)
かたちなに(プロフ) - 見入ってしまった! 話が深くてとても面白い! 興味本位で読み始めたけどワクワクが止まりません笑 とても素晴らしい作品！！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 750b6b2d88 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» こちらこそ、混乱させてしまって、ごめんなさいね（泣）精進いたします！応援&コメント、本当にありがとうございました！ (2016年3月11日 17時) (レス) id: b097ba1888 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうでしたか！細かな説明ありがとうございます！どちらの作品も楽しく読まさせてもらってます！これからも応援してるので頑張ってください (2016年3月11日 15時) (レス) id: 3eef4ca069 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» というイメージです。ある種の「パラレル展開」という傾向ですね。長々と連投、すみません。あちらの作品は、「甘々展開だけが読みたい！」と思われた時にでも、立ち寄っていただければ、幸いです。コメントありがとうございました！ (2016年3月11日 12時) (レス) id: ac8a3e0fe6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りりこ | 作成日時：2015年7月10日 2時
