夢見る背中*3

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あの撮影から時間は経って、編集が終わったと連絡が入る。






臣「これが明日YouTubeによって世界にばら撒かれる。
覚悟しろ」






「遅くないですか？」




臣「あー、メンゴメンゴ☆」





「今なら止めてと言えばばら撒かれずに済みますか？」






臣「無理に決まっておろう！」







ハッハッハじゃねぇよ。
どこの王様気取りだよこんの…

ファーッ(ピーーーーーー)









マネージャーから預かったと言うDVDを、うちのデッキに読み込んで
ソファに並んでMVを見た。








あの日皆が面白がって見せてもらえなかった本番のカット。
今やっとお目にかかる。








ブラックな仕上がりで出来上がってる画面。

メンバーどのソロを見たってかっこいい。









「タイム、ちょっと待て」





臣「はぁ！？最後まで見ろよ」




「ちょまてまておい、見たか？
誰だよあの女！！！！！」





臣「お前だろうが」






「まじかよぉぉぉぉ！！！！」







頭を抱える私なんて知らん顔で、
隣でドーンと座ったままの臣さんはMVを眺めている。


……隣にポップコーンでも置いてやろうか？






当の私は頭は抱えたまま、ちらりと画面を見る。




待ってよ、本当に恥ずかしい。
あんなに臣さんに絡んどったなんて。


あんなのが世界に出回る？ありえへん。









臣「大丈夫だ。
お前は綺麗に写ってる。
幸い名前も知られてない。
明日からも胸張って仕事に来いよ！」







「そんな…、あほかぁぁぁぁぁ！！！！！」









私の雄叫びも虚しく、臣さんは自分の部屋へと帰って行った。









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次の日の早朝に解禁されれば、ほら。
臣ファンが激怒してる。
そこに少しの“二人、似合ってた”ってコメントは少なすぎて霞んでる。









い「MVデビューおめでとう♡
ケーキ焼いてあげるね♡」





「…いずみさぁーん！！！
私明日から生きていけるかな…登坂ファンに抹殺されたらどうしよう！」





い「されないされない、はい！今日のお仕事でーす」








しれっと交わす私の上司。
あぁ、冷たい。哲也さんにちくってやるんやから。









そんな時、内線がかかってくる。
社長の秘書からのお呼び出し。









何事かと思って社長室へと急いで駆け上がって、ノックをする。


“どうぞ”の声の後に、扉を開ければ

そこにはいないはずの……









「………香奈子さん」






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