僕と私の契約恋愛

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手当たり次第、あちこちのドアホンを押した。
どこにいるのか分からない秘書子を全力で探すのは容易いことではなくて、
自分達にある最大限の能力を必死で使う。





きっと今冷静さを失くしているのは、直人さん。

俺はその隣で暴走しないよう、代わりに司令塔になった。

弁護士たるもの、常に冷静でいないと──。







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健「岩ちゃんそこや！」



岩「ありがとう。電話切っていいよ」






ドアスコープの前に俺一人が立つ。
ドアの真横に直人さんが居て、並ぶように健二郎さんと隆二さん。

ここの二人は取り押さえ組。









静かに開いたドアに、直人さんが靴を侵入させる

その隙にドアは俺がしっかり持って、主導権を握るのはこちらにする。






「な…！直人君…！！！！」





人「A、返して下さい」





「何言ってるんだ！Aちゃんは居ない！」





隆「こいつです、秘書子連れてったの」





人「失礼します」








静かに入って行った直人さんを追いかけようとする拉致犯を、隆二さんが捕まえた









岩「…直人さんの顧問弁護士をしています。
岩田剛典です。大人のお話、しましょうか」







奥から直人さんの「A！」と叫ぶ声が聞こえる。








それを聞いて、目の前の人ににこりと微笑んだ。








……今健二郎さんが怯えてどうすんの。









岩「哲也さん…、秘書子」





哲「うん。」









なにも言わずに中へと入っていく哲也さんは…




温厚で有名な哲也さんと、別人。








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岩「芦原とは違う部屋で、お話しましょうね」








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