記録日:未明 (ページ24)

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原理は分からない。だが理由は明白。彼女の悪癖は、彼女の最大の敵を招いた。捜査官たちはいつか本物の喰種になると口にしていたものの、大きくなった彼女は至って普通だった。

人にタバコをパシらせ、食事も皆と同じもので、悪癖も落ち着いていた。幼少と比べて、彼女は本当に大きく育っている。

それも今日崩れた。腹の子が死んだことで、有馬Aは唯一無二の理性を殺そうとしていた。

霧嶋董香｢うそ...｣

平子丈｢赤ちゃんは死んだ。あの傷で生きているのが不思議なぐらいだ。彼女も苦しそうだったから、医者にも手伝ってもらって腹の子を出させたが......見るに堪えられなかった。｣

霧嶋董香｢......今の白鳩って、そんな酷いことができるの？｣

平子丈｢みんな疲弊していると、俺は思っている。急に大切なものが消え、そこを突かれ、もうないものを求めるがままにさまよって......ついには無垢な命まで奪った。｣

霧嶋董香｢元気な子供、見たかったね。......私さ、少しカネキと話してくる。今になってアイツが消えると思って、少し不安になったから。少しでも繋ぎ止めたい。｣

平子丈｢分かった。誰も邪魔はしない。｣

霧嶋董香｢ありがとう。あの人がこれからどうなるか分からないけど、少なくとも戦えない人間に会わせたらダメだと思う。あの人のこと、よろしくね。昔から私たちの大切な常連さんだもの。｣