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ヤブ｢もう一つ......宇井はもうダメだ。人が変わったように、あの局長の補佐として活動している。琲世たちには月山が伝えてくれているはずだ。もう荷物はまとめたから、次の拠点に移動するぞ。ここにいたら死ぬ。｣
｢分かった。......貴将？｣
有馬貴将｢ん？ああ......なんでもない。行こうか。それとも琲世たちと来る？｣
｢そうだね。たまには後輩と話したいし。貴将はヤブと一緒に？｣
有馬貴将｢ヤブに君のことで話したいことがあるって言われたから......また後で。｣
｢うん、また後で会おうね。琲世、ちょっと話があるんだけど......｣
彼女は今でも、僕を琲世として扱う。金木研という名前は一度しか口にしなかった。
｢へー？亜門さんも生きてたんだ。流島の件はもちろん、二人のことについてもあまり聞いてなくってさ。なに？二人とも愛の逃避行ってやつ？｣
霧嶋董香｢そんな感じだろうね。｣
｢ふふっ。二人と話したかったなぁ。｣
金木研、金木研......それを最後に口にしたのは、いつだ？
確か僕が有馬さんと戦う前、あの日だ。
金木研｢(僕の顔を見て、ふと言葉を漏らしていた。当時の彼女があんていくを覚えていたのかは、定かではないけど......記憶に残ってくれたんだと思うと、嬉しかったな。カウンターの特等席で、いつも珈琲を飲んでくれていたから。)｣
もっと話したい。今度は......友人として。だから名前を呼ばれないのは、余計に辛い。
｢二人とも、早く結婚すればいいのに。｣
霧嶋董香｢はいはい。カネキ、店を閉めてきてくれる？｣
金木研｢うん。｣
＿＿＿＿＿＿カチャッ。
｢(ん？琲世が触る前に、ドアが)｣
六月透｢ああ......ようやく二人とも見つけましたッ！！｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年12月15日 13時
