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平子丈｢ああ、右腕......そうなるだろうと思い、特注の義手を用意してある。とりあえず昨日はお疲れ様。｣
｢んー、複雑。｣
平子丈｢信用されてるのかされてないのか？している。しているが予感がした。｣
｢そっかー。少ししたら、またパンを買いに行ってもいいかな。｣
平子丈｢ああ。自宅にもまだ大切なものがあるのだろう？｣
｢......うん。はっくんに渡し損ねたものがある。｣
妊娠の件は......まだ誰にも話していない。喰種にしか話していない。だって人間側は保護者が多すぎるもの。それで行動を制限されたら、はっくんにずっと渡したかったものだって渡せない。
｢じゃ、行ってきます。｣
平子丈｢最近太ったか？｣
｢......お、お菓子食い過ぎたかなー？あはは......｣
違反者にもそれぐらいの余裕はある。あの作戦中に琲世たちが回収した抑制剤も打ったから、しばらくは病が悪化することはない。
カフェから、少し遠くのパン屋まで。いい匂いにつられながら、一歩、一歩と。ある友人と会う約束もしてある、少し急ごうか。
宇井郡｢はい、これください。｣
旧多二福｢と、特等...緊張して珈琲しか飲み込めない...｣
宇井郡｢どんだけ緊張してるんだよ。｣
｢すみませーん。予約したパン、あります？｣
小坂依子｢はーい！もちろんですよ！今日も一人で食べるんですか？｣
｢いえいえ。今日は友人に会いに来たんです。あのバカのことですから、どうせ待ち伏せしてると思って......｣
旧多二福｢げっ｣
｢ああ、いた。餌とか関係なく、普通に話そうよ。私も腹の子に無理させたくないから。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年12月15日 13時
